T.P.O.に合わせて飲みたいプロヴァンス・ロゼ ドメーヌ・デュ・グラン・クロ

「ロゼはお花見」とは言うけれど(何度もそう書いた記憶があるが)、実際にお花見しながら飲むロゼはちょっと身体には冷んやりしすぎているような気がしている。ただ、同じ花見の季節でも屋内で飲むロゼは大歓迎だ。昨年あたりからようやくスティルワインのロゼにも火がついたようだから、そろそろ年中T.P.O.に合わせてロゼを選ぶのが面白いのではないだろうか。

ドメーヌ・デュ・グラン・クロのプロヴァンス・ロゼを味見しながら、そんな風に思った。

 

この造り手は、ジェーンとヒューがプロヴァンスで恋に落ちたことから始まった、らしい。詳しいことはわからないが、色にふさわしいロマンティックなストーリーだ。フォークナー夫妻が1989年からワイン造りを始めて25年以上経過し、今では息子のジュリアンが指揮をとっているようだ。

 

Domaine Rosé 2016

シンプルなラベルの「ドメーヌ・ロゼ」は、サンソー、カベルネ、カリニャン、グルナッシュのブレンド。

ピンク・グレープフルーツや、ラズベリーやチェリー、小さな花などのフレッシュな香りが開いていて、味わいもしっとりなめらか。フレッシュな酸とほんのりとした収斂性が感じられて、日常的に気軽に楽しみたいタイプだ。ニース風サラダなど、フレッシュな野菜も用いたシンプルな料理屋おつまみなど、あるいは魚介類などと気構えずに飲みたい。

Le Grand Cros La Maitresse

こちらはスパークリング・ロゼ。瓶内2次醗酵をして、9ヶ月以上瓶内熟成を施している。2002年から造り始めたキュヴェで、標高160〜200mの南向きの畑で栽培する、グルナッシュ、シラー、シャルドネのブレンド。ドザージュは8g/lでMCR(濃縮果汁)という気の遣いようだ。

キャンディにしたチェリーや少し火を入れたリンゴ、ピンク・グレープフルーツといった甘い果実の香りがして、ほんのり甘くなめらかな口当たり。果実が熟していることに加えドザージュによる甘さがあるので、アペリティフにはもちろん、和食のおかずにも合わせやすそう。

Cuvée Aurélia Rosé 2016

これもおそらくジュリアンが造り始めたキュヴェなのではないだろうか。ブレンドは、シラーとグルナッシュ。

香りは少し閉じ気味ながら、ベリー系果実とフローラルな香りが感じられる。とてもなめらかなアタックで、酸は穏やか。厚みがありほんのりとした収斂性も。チェリー系果実の果皮やオレンジピールなど、熟度が高いと共にほのかな苦味、あるいは旨苦味が感じられるので、どちらかといえば肉類が食べたくなる印象。香りが開いてくると、さらに面白くなりそうだ。

鴨料理とか、火を入れた牡蠣料理にも合いそうな雰囲気。

L’Esprit de Provence Rosé 2015

シラー、グルナッシュ、サンソーのブレンドで、畑は標高160mのチョーキーな粘土石灰質土壌。

香りはこちらも少し閉じ気味で、味わいはしなやか。フレッシュな酸はサンソー由来だろうか。少しがっちりとした骨格が感じられるオーレリアより、上品で線の細いタイプ。口中で柑橘類や白い果実の香りが広がり、心地よいテクスチャー。こちらは魚介類から白身の肉類までにとどめておいて、この繊細さをそのまま生かしたい。

 

細かい情報はないけれど、それぞれの畑のブドウ品種や土壌由来の個性を把握して、どのように特徴あるキュヴェに仕立てようかと考えた末のアイテムなのではないかと想像する。その差異をシチュエーションに合わせて楽しんでみてはいかがだろうか。(Y. Nagoshi)

輸入元:BB&R(ベリー・ブラザーズ&ラッド)

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