シチリア北西部モンレアーレのサリエ・ド・ラ・トゥール

2009年から親戚筋のタスカ・ダルメリータのグループの一員となった「サリエ・ド・ラ・トゥール」は、もともとピエモンテ出身の貴族だ。1779年に、パレルモから数キロにあるモンレアーレの丘の領地とプリンチペ・カンポ・レアーレの称号を、シチリア王から与えられた。ブランド・マネージャーで創業家メンバーのコスタンツァ・キリヴィーノが来日し、その魅力を語った。

モンレアーレは、大聖堂で有名な地で観光客も多く訪れるという。パレルモに隣接している土地であり、宗教的に重要な場所だったため教区が広がった。シチリア大司教はローマ法王に匹敵する重要人物だったという。そのため、モンレアーレDOCの範囲は広くワイナリー数も多い。サリエ・ド・ラ・トゥールの領地も、かつてはイエズス会の修道士が所有していた。

標高270〜370mの丘に77haの敷地を所有し、そのうちブドウ畑は44haを占めている。海から30kmにあり涼しい海風も入り込む。湧き水も出る地で水不足の心配がなく、土壌は粘土と砂が混じっている。

ここでは5銘柄で合計37万本造っており、フラッグシップで1万本限定生産の「ラ・モナカ」がモンレアーレDOC、残りの単一品種銘柄はシチリアDOCだ。

「ラ・モナカ」という名称は日本人には覚えやすく和菓子を思い浮かべるが、イタリア語では「修道女」を意味する。エステイトから見える丘の名前が「ラ・モナカ」で湧き水が出る場所だ。「ブドウ栽培にとって太陽と水はとても重要な存在だから、代表する銘柄にこの名をつけた」とコスタンツァはいう。シラー100%で、1993年植樹の畑から厳選したブドウのみ使用している。

コスタンツァ曰く「シラーはマグナ・グレキア(古代ギリシャ人が南イタリアとシチリアを植民していた時代)の頃からシチリアで重要な品種だった。起源は諸説あるがシラクーサからきているとも言われている」。今、シチリアでもっとも栽培面積の多い黒品種はシラーであり、イタリアで最もシラーが栽培されている州はシチリアだという。「しかし、シラーのストライク・ゾーンは狭い。例えば、レガリアーリの畑は内陸にあり、シラーには日較差が大きすぎる。反対にモンレアーレでは、日照量が豊かで水にも恵まれている上に日較差が大きすぎないため、シラーにとても適している。近隣でも栽培面積が増えている」。

インツォリア、ネロ・ダーヴォロなども試飲したが、白も赤も共通してエレガントで清涼感があった。「水と涼しい風に恵まれているからだ」とコスタンツァは語った。

 

Grillo 2015 ギュイヨ仕立てのグリッロ100%。9月末に遅摘みしてマルサラを造っていた品種だが、ここでは8月後半の早朝に収穫し辛口仕立てに。柑橘類の香りがフレッシュで、まろやかなアタックで口当たりがよくアプローチしやすい。「オレンジの香りがするから、これは(交配品種の親のうち)カタラットの個性が強く出ている」。

La Monaca 2014 標高350mの粘土質土壌。1993年植樹のコルドン仕立て。フレンチオークの樽で18ヶ月熟成。ミント、ローズマリーなどが香り、香りも味わいも上品さが感じられる。なめらかな食感で一貫性があり、きめ細やかで後味が清々しい。(Y. Nagoshi)

輸入元:アルカン

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