畑の個性を映し出す「レ・ラニャイエ」の上品なブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

リッカルド・カンピノーティは、モンタルチーノの街からほど近い南西の標高600mの地で2002年からワイン造りを始めた。シエナ出身で当時29歳の若さだった。父が経営する家業は兄弟に任せ、自ら求めるワインの世界に入り持ち前のセンスの良さを発揮している。

購入したエステイトは1991年に創業しており、1968年植樹の古木もある。その後2005年にはカステルノーヴォ・デッラバーテのマストロヤンニのすぐ側のフォルナーチェ、ポッジョ・ディ・ソットに近いラ・カーヴァを、さらに2015年には北東の銘醸畑モントソリも購入した。新参者が上質な畑ばかりを入手した、とやっかみの言葉を現地で聞いたことがあるほどだ。しかし、それぞれの畑の個性を実に綺麗に映し出したブルネッロをみれば、誰もが納得せざるを得ないといったところだろう。

好みのワインは、カセ・バセ、ポッジョ・ディ・ソット、マロネート、バリッチ、ペルゴール・トルテ、リナルディなど。今注目している産地は、ランゲ、エトナ、ジュラだという。およそ彼のワインの方向性が理解できる名前ばかりだ。

合計14haの畑からブルネッロ、ロッソ、そして標高が高すぎてブルネッロにできない畑から造るキャンティ・セネージ(2014年はIGT)で合計75,000本ほど生産している。雨で冷涼だった2014年はブルネッロは造らず、3種類のロッソ・ディ・モンタルチーノに仕立てた。平年のブルネッロのようなストラクチャーはないが、バランスよくエレガントなできあがりで、中でも「ヴェッキエ・ヴィーニュ」は厚みもありしっかりとした味わいだった。「ロッソは、普通のロッソとブルネッロの間の品質を目指している」という。

新作でバレルサンプルのモントソリ2015年を含め、いくつか試飲した。基本的に54hlのセメントタンクで自然酵母により醗酵し、良年は90日マセレーションを行う(2012年は60日、2014年のロッソは15日)。熟成は25〜32hlのスロヴェニアン・オーク樽で36ヶ月。醸造はマウリツィオ・カステッリに、栽培はオッタヴィオ・テンペリーニにコンサルタントを依頼している。有機栽培の認証も取得したが「2005年から2年間ビオディナミも試みたが、500と501のプレパレーションは効果が得られなかったのでやめた」と正直だ。

 

Brunello di Montalcino 2012 拠点のあるラニャイエ主体でペトローソ、フォルナーチェとラ・カーヴァをブレンド。果実の香りが主体で、果実の丸みと酸のバランスが取れた上品な味わい。

Brunello di Montalcino Fornace 2012 標高390mのフォルナーチェ畑で、1980年植樹。力強いスパイシーな香りで、アタックはしなやかだが後半から勢いが増し力強い。

Brunello di Montalcino Vecchie Vigne 2012 標高600mの高地で1968年植樹の畑。まだ閉じ気味のスパイシーで上品な香り。繊細ながら凝縮感がありタンニンも豊か。

Brunello di Montalcino Montosoli 2015 1994年植樹のモントソリ畑のバレルサンプル。温かみがありゲイミーで厚みのある香りで、グリップがあり、ストラクチャーがしっかりした味わい。リリースが楽しみだ。(Y. Nagoshi)  輸入元:パンタレイ

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