2018年ビール市場の動向と見通し by酒文化研究所 狩野卓也

2018年のビール市場はどのように変化していくであろうか。まずは昨年の実績を整理してみる。

 

<2017年は13年連続の規模縮小>

2017 年のビールメーカー大手5社のビール類課税数量は前年比で2.6%減少し511万5603KL程度となっている。これでビール類は13年連続の減少ということになり、実績では1986年並みにまで縮小した。

1986 年はアサヒスーパードライ発売の年でビール市場は成熟して成長がとまったと考えられていた頃である。数年間の不毛な容器競争・新製品競争の末にスーパードライの新しい提案でビール全体が苦味を抑える方向に進み、市場が再成長に向かったのであるが、その成長した分がすべて失われたということになる。

前年比でみるとビール97.1%、発泡酒が96.0%、新分野が98.5%であった。酒類取引の新ガイドラインを順守するために実勢価格の値上げが進み各社6月までには店頭価格や業務用納入価格の上昇が進んだが、競合する低アルRTDの店頭価格には大きな変化がなかったことなどがあり、下半期からはビール類からRTDへの流出が加速したと考えられる。

各社ごとの昨年のトピックスとしては、アサヒビールがスーパードライ発売30周年で「エクストラハード」「瞬冷辛口」「ジャパンスペシャル」などの記念商品を発売し、これらは計画数量を上回った。トータルではスーパードライが1億函を割る年になった。一方でアサヒは新分野のクリアアサヒが好調でついに僅差ながらカテゴリー№1についた。

キリンビールは9月に一番搾りをリニューアルして缶製品の出荷が1割増加するなど成果をあげた。またクラフトビール分野は飲食店向けの小型サーバータップマルシェを展開して目標の千店を達成しこの分野では他社を大きくリードできた。新分野では新商品の「のどごしスペシャルタイム」が不振でシェアを下げる結果となった。

サントリーは、ビール・新分野ともに市場平均を上回った。サッポロビールは、黒ラベルが二年連続で前年より数量を増加させることができた。

その一方でビール類と競合が考えられる低アルコールRTD(チューハイ・ハイボール等の合計)商品が2年連続で2ケタの増加と好調に推移し、ビール類の2割程度の規模まで成長してきた。このRTDとビール類を合算して市場をみると前年対比99.5%程度とほぼ横ばいとなる。

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