至高のジュヴレ・シャンベルタンの造り手 デュガ・ピィから若き当主ロイク・デュガ・ピィ来日!

畑へかける想い

ロイクは1996年からドメーヌに入ったが、ピエール・マッソンのもとで1997年にはビオディナミの研修もした。祖父も父も化学的なものは使わず、常に畑を耕し除草剤も使ったことはない。1999年から有機栽培を始、2015年にヴェリタスの認証を取得した。

「これからお金を使うとすれば、畑を買う、あるいは機械ではなくて手作業を増やすために人件費に使う」という言葉が、デュガ・ピィ家の意思を象徴している。

今、畑のスタッフは冬で5、6名、夏は15、16名いる。畑が忙しいので、父ベルナールは1週間もあけられないと、唯一イギリスを訪問するだけで、他国には出かけることがなかった。ロイクは2年前から打診され、今回初めて日本訪問が叶ったということだ。「再来年には妻と来たい」という。

 

昔は自分たちで馬を飼育しなければならなかったが、今は馬と馬に操る人を貸し出してくれる会社がある。今ブルゴーニュでは、5、6社に増えているという。ちなみに3ha耕すのに3頭から4頭必要となる。

ロニャージュやめたのは5、6年前からで、シャンベルタンの畑から始めた。今は1級と特級はすべてしていない。これによりブドウの成熟が早くなった。古木であることに加え有機栽培にしたことも影響している。他の畑より4、5日成熟が早い。

新植が必要なときには自社畑内からのセレクション・マッサールによる苗木を使う。小粒で数もならないし、フェノリックの成熟が素晴らしい。潜在アルコール度数12.5〜13.2%まで成熟する。今のクローンだと13.5%以上にも上がってしまう。中には14%まで上がるものもたくさん存在している。

また、若い時代に化学的な物質をたくさん受けているものは、老化が激しい。

 

2017年は9月2日に収穫開始した。他の人たちは1週間から10日遅く始めたという。近隣の中では一番早かった。2016年はほとんどで霜の被害を受けた。そういう年の翌年は量がつく。デュガ・ピィの畑は古木のためそれほどでもな買った、グリーンハーベストをした。だから、2017年は「素晴らしい年」とは言っても造り手によって、収穫量によって差があるという。かえって誰もが低収量だった2016年の方が造り手によるムラは少ないようだ。

 

赤ワイン

赤のキュヴェゾンは3週間と長く、木製醗酵槽とコンクリートタンクにて行う。例えば2003年は暑かったので保冷車を借りて少し冷やした。果汁が疲れるのでポンプは極力使用しない。酵母は蔵つき酵母も含めてすべて自然で。「有機栽培に変えてから醗酵がよりスムーズに始まるようになった」という。

ヴィンテージによっても変わるが、およそ全房醗酵を行う。シャルム・シャンベルタンは50%、シャンベルタンとマジは100%。ただし、2004年は8月に2度も雹の被害を受けたため、ほとんどの区画で除梗した。スーティラージュは、昔ながらの方法でタストヴァンとろうそくで目で見ながら行う。

新樽率は、赤はACOブルゴーニュ(ジュヴレの村名畑だが、国道の向こう側にある畑のブドウを使用)で 20〜25%、ジュヴレ・シャンベルタンの村名50〜60%、1級と特級は100%。フランソワフレールと専属契約している。熟成期間は18ヶ月熟成。「かつて24ヶ月、30ヶ月も父と試したが、丸くなりすぎたりフレッシュさがなくなるなど、よいと思うことが少なかったので、やはりこの期間にした」。

 

Gevrey-Chambertin Cuvée Coeur de Roy Trés Vieilles Vignes 2011 ジュヴレ シャンベルタン キュヴェ クール ド ロワ トレヴィエイユヴィーニュ2011

樹齢50〜105年。3つの区画が主体で1級に隣接している。プティット・シャペル横のポワンチュー、コンブ・ド・デュシュは105年樹齢、ラボー・サン・ジャック側のマルシェ。1905〜1910年に曽祖父がフィロキセラ後に植え替えた区画。

全房醗酵50%以上。スパイシーで熟したラズベリーも香るがまだ全体に硬い。かっちりとした味わいで、タンニンもしっかりとしてストラクチャーが強く、勢いがある。酸もしっかり。あと10年ぐらい置いておきたい。

 

Charmes-Chambertin Grand Cru 2010 シャルム シャンベルタン グランクリュ2010

シャルムとマゾワイエールの区画。シャルムと隣接しているマゾワイエールの区画は土壌がほぼ同じなのでここにブレンドしている。シャルムと離れているマゾワイエールの区画は、石がゴロゴロした土壌で特性が異なるためマゾワイエールとして単独で。シャルムは比較的面積が広いが、ここは最も古くから持っている一家から購入した区画。丘の上方にありシャンベルタンに近い。シャルム2区画、マゾワイエール1区画をブレンドしている。

ワインとしては「シャルムは、凝縮感はあるが包み込むような香りと上品さと丸さが特徴。マゾワイエールは土が少なく石が多い土壌のため、スパイシーで、硬質でテンションが高くミネラルを感じ、開いた時にはより複雑になる」。

これも50%ぐらい全房醗酵。2010年は、樽熟成中からずっと素晴らしい。

柔らかく華やかな香り。果実の熟度も高く丸みのある香り。しっとりとしたアタックで、酸もしっかりしタンニンのストラクチャーも強いが、とても上品。

 

Charmes-Chambertin Grand Cru 2001 シャルム シャンベルタンGC 2001

「2001年は少しタンニンが固いけれど、2002年にも引けを取らないヴィンテージだった。2002年は若い時から印象的で、2005年はすべてが整った年だったため、その影に隠れてしまっているが、造り手で選ぶ年のひとつだ」。

少しドライなチェリーやラズベリー、鞣し革などが香る、ソフトでエレガントな香り。バランスが良く温かみも感じられる味わいで、酸もタンニンも馴染んで今とても美味しく飲める状態。

 

最後に、温暖化に対する危機感はあるかどうか尋ねてみた。しかし、デュガ・ピィでは「温暖化は、今はまだアドバンテージだと感じている」という。古木が多いため影響が少なく、対策が必要だとは感じていない。祖父の時代には10年に2〜3回よい年があったぐらいで、潜在アルコール度数も10〜11%ほどだった、と振り返る。「でも、これからオート地区が素晴らしいと言われるようになるかもしれない」とも付け加えた。

 

今回いくつかの白と赤を試飲して、改めてデュガ・ピィは実に長寿なワインだと感じた。1981年生まれのロイクは、幼い頃から家族とともに畑や醸造所にいたが、14歳になった時に明確に「ヴィニュロンになる」と決めたという。誇り高き畑の人だ。(Y. Nagoshi)

輸入元:ラック・コーポレーション

 

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