2017年3月末のワイナリー数は283場に

国税庁発表実態調査

「国内製造ワインの概況(平成28年度調査分)」

国税庁は昨年11月、果実酒製造業者に対する実態調査の結果をまとめた「国内製造ワインの概況(平成28 年度調査分)」を発表した。3年続いての実態調査となるが、今回の調査対象となった267者(283場)のうち、231者(244場)から回答を得た。回答率は86.5%で、前回の94.6%から8ポイント程度低下した。調査時期が栽培・醸造の繁忙期と重なったり、年々調査項目が増えていることが未回答者が増えた原因ではないか、と国税庁は見ている。

ワイン特区の活用もあって果実酒の新規免許付与件数はここ数年、年ごとに増える傾向にあり、試験製造を除く果実酒製造免許場数は平成27年3月末344場、28年3月末367場、さらに29年3月末で388場に達している。

このうち、ワインを生産または出荷した実績のあるワイナリー数は平成29年3月末で267者(前年261者)、283場(同280場)。いまや奈良、徳島、佐賀を除き、北は北海道から沖縄までほぼ全国の都道府県でワインがつくられるようになってきた。昨年はさらに11 月30日までの11か月間で、計36場(内、試験免許場数5)が新規免許を取得していることから、今年3月末の醸造場数が300を突破することはほぼ間違いないとみられる。

ワイナリーの数を都道府県別にみると、山梨が81、北海道と長野34、山形14、新潟10 と上位5県で全体の約6割を占め、以下、大阪と栃木が7,岩手と岡山が6、福島、広島、大分がそれぞれ5と続いている。

今回回答があった231者のなかで222者、96.1%が中小企業者(資本金3億円以下の法人、従業員300人以下の法人および個人)であり、果実酒製造を100%専業で行っているにもかかわらず生産量100Kl未満のワイナリーが50者もある。

また、日本ワインだけに限ってみると、大手企業7社だけで全生産量の32.6%を占めている一方で、生産規模100Kl以下の小規模ワイナリーが190者あり、これら企業の生産量を合わせると日本ワイン全生産量の21.9%を生産量を担っている。さらに営業利益が50万円未満と営業赤字のワイナリーがあわせて全体のほぼ4割を占めていて、日本ワインの生産が極めて脆弱な企業基盤によって成り立っていることがわかる。

 

平成28 年の日本ワイン生産量

天候不順の影響で183 万ケース強に

日本ワインの出荷量は年々増加しており、平成28年度は1万5849Kl(8.64ℓ換算で約183 万4000ケース)、前年比5.2%増加した。

この結果、国産・輸入合わせた国内ワイン市場全体における日本ワインの構成比も4.8%と前年の3.7%から1.1 ポイント上昇。また、輸出量は56Kl とまだまだ少ないが、前年比では25.9%増加した。

一方、平成28 年度における日本ワインの生産量は1万6638Kl(192 万6000 ケース弱)で、前回調査の1万8613Kl より10.7%減少した。これは、前年より調査回答数が少なかったためというよりも、同年度中の醸造用ぶどう仕向量が天候不良によって減少したことが一番大きく影響した結果だと考えられる。

ともあれ、国内製造ワインに占める日本ワインの比率は19.4%と前年より1ポイント上昇。また、グラフが示すようにワインのタイプ別内訳では、赤が若干増えた一方で、白の比率は減少。近年の需要増加を受けて、スパークリングワインの比率は5.2%となり、前年より0.5 ポイント増えた。

 

品種別内訳は甲州が大幅減少

平成28年度における原料用国産生ぶどうの品種別受入数量の内訳は、別掲グラフが示すとおり。

白では甲州が3574t(前年4649t)と大きく減少する一方で、ナイアガラが増加。シャルドネは量で減少したものの、比率は前年より7ポイント上昇した。

赤ではマスカット・ベーリーA が量で減少しつつも比率は上昇。コンコードが量も比率も大幅に減っているのに対して、メルロは量も比率も大きく伸びた。

主産地の品種別構成をみると、醸造用ぶどう生産量第1位の山梨は甲州が49%、マスカット・ベーリーA が28%と圧倒的。

2位長野はナイアガラ23%、コンコード34%とラブルスカ系が6 割近くを占めているが、メルロが12%を占め、日本全体のメルロ生産量のほぼ5割を占めている。

3位北海道は白ではナイアガラ29%、赤ではキャンベル・アーリー20%が主要品種となっているが、ケルナー8.3%、ツヴァイゲルト8.4%と欧州系品種が続いている。ピノ・ノワールも73.6tと、日本全体の出荷量175tに対して4 割以上を占めている。

4位山形は、白ではデラウエア28%、ナイアガラ15%、赤ではマスカット・ベーリーA16.2%が主要品種。ただし、山梨、長野、北海道の上位3 県産のぶどうは85~90%程度が自県のワイナリーに引き取られているが、山形県における比率は56.8%にとどまっているのが特徴的。その分、山形産ぶどうへ需要が強く、山梨や北海道など他県にあるワイナリーからの引き合いが集中している。

ぶどうの受入形態別では、契約栽培によるものが50.2%、(農協などからの)購入が36.7%。自営農園のぶどうを使ったものは2467t、11.7%にとどまっている。この他、受託醸造も415t、1.9%ある。

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