テヌータ・デッレ・テッレ・ネーレ Tenuta delle Terre Nere

バローロ・ボーイズの仕掛け人として知られるマルコ・デ・グラツィア。彼が2002年、シチリアのエトナに設立した醸造所が「テヌータ・デッレ・テッレ・ネーレ」である。
エトナは欧州最大の活火山で、昨年の3月にも噴火している。「キリマンジャロのコーヒー、インドネシアの茶など、火山の近くでは優れた農作物が育つ」と言うマルコ。またギリシア哲学にも精通する彼は、エトナのワインはプラトン的と語る。ヴァチカン博物館が所蔵するラファエロの「アテナイの学堂」では、アリストテレスは手を大地に向けて広げ、プラトンは天上を指差す。アリストテレスは世俗的で、プラトンは理想を追求する姿が描かれている。これに倣えば、フランスのボルドーはアリストテレス的だが、ブルゴーニュはプラトン的であり、そしてエトナもまた理想を追求するワインだという。
イタリア最南端にあるワイン産地のひとつだけに、暑い地域と思い込みがちだが、DOCエトナは400~1000メートルまで標高差が大きく、高地では冬に雪が降ることも珍しくない。南イタリアにもかかわらず、北イタリアのようにエレガントなワインを生み出すことのできる理由のひとつだ。
またイタリアの他の地方と比べ、5倍もの降雨量のあるエトナだが、それも地域ごとに異なり、また何度も噴火を繰り返しているため、溶岩の流れが複雑でテロワールは一様ではない。
「古い土壌である程度の表土があり、かつ溶岩の流れていない土地が理想」とマルコ。一般的なコンセンサスとしてエトナ火山の北斜面こそ、ネレッロ・マスカレーゼから造られる優美な赤ワインの銘醸地として評価が高く、テッレ・ネーレももちろん、このエリアにブドウ畑を所有する。(Tadayuki Yanagi)

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