今年前半、北米西海岸のワインはバイザグラスで盛り上がる

ワインをグラス売りすることで、来店客に複数のワインのトライアルを促し、店の売上にも貢献するバイザグラスは、ワイン振興団体・企業の料飲店対象施策として定着した感がある。どのテーマでも嵌るビジネスモデルだが、カリフォルニアを筆頭とする北米西海岸のワインにおいては常に活発な印象を受ける。特に今年は、1月のワシントン・オレゴンの試飲商談会、2月のナパヴァレーの結果発表、3月のカリフォルニアの試飲商談会と続き、プロモーションの実施は3月~4月にワシントン・オレゴン、4月~5月にカリフォルニア。そして6月にはワシントン・オレゴンとカリフォルニアの結果発表に、ナパヴァレーの受賞店研修ツアーと三者揃い踏み。年の前半は入れ替わり立ち代わりで北米西海岸ワインの発信が続く。

 

ワシントンオレゴン・ワイン・エクスペリエンス・プロモーション

3月1日から4月末まで実施。料飲店でのバイザグラスだけでなく、小売店やオンラインショップ含め対象チャネルを幅広く設定している。キックオフに当たる試飲商談会には、大阪250名、東京500名の来場者があり、エントリー数も全国で394店舗と増加。オレゴン州政府のサポートにより、昨年同州に製造拠点を設立したサンクゼールの店舗が参加したことが多きく寄与した。

 

ワシントンオレゴン・ワインの市場〉

オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会日本代表のトッド・スティーブンズは、同プロモーションを通して見た日本市場を次のように分析する。ワシントンは価格競争力があるためバイザグラスで売りやすい傾向にある。バランスか良くリーズナブルな価格のカベルネベースのレッドブレンドやリースリングが力を発揮する。一方、仕入れ価格が2,000円を切る商品が少ないオレゴンはボトル売りか多く、客単価の高い店での動きが良い。ピノ・ノワールの品質の平均水準が高いのが強みで、価格が高いほど、この傾向は顕著。今の日本人のトレンドが「自然」「ナチュラル」で、人気のポートランドのイメージに重なるのも若い層には響きやすい。手頃な価格帯のピノ・グリは幅広いジャンルの料理に合う。

ハイエンドのチャネルではワシントンとオレゴンの差は縮まる。ここ数年は、高級レンジにおけるホテルの販売力の大きさが目立つ。

地域による特色もある。関西地方は市場規模の割に参加率も入賞率も高い。現場従事者のプロモーションへの意識、経験値の高さによるものと見る。業態の違いも要因のひとつ。大阪は伝統的なスタイルのカウンターのワインバーで、売る力のある店が根強く残っている。一方、東京はフードがメインで、例えばステーキハウスでワインが良く売れている。参加店の地域別構成比は首都圏7割、関西圏2割、残りの1割の中では経済的にも元気な北九州エリアが健闘している。(Soari Kondo)

ナパヴァレー・バイザグラスフェア授賞店

つづき(ワシントンワインの今、オレゴンワインの今、ニューリリース、ナパヴァレー・バイザグラスフェア授賞式、カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション)は、WANDS 2018年4月号をご覧下さい。 ウォンズのご購入・ご購読はこちらから デジタル版も紙版と合わせてご活用ください。

トップ画像:ダグ・マーシャル(左)とドット・スティーブンズ

 

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