特集・ウイスキー フランスにおけるウイスキー新潮流

ワイン大国フランスは、実はウイスキーの消費大国でもある。特にフランス人のスコッチ好きは有名で、スコッチウイスキー協会(SWA)が発表した2017年度の対輸出国ランキングによると、フランスは価格ベースでアメリカに次ぐ2位、数量ベースでは1位を貫いている。また日本産ウイスキーの輸出先としても、フランスはアメリカに次ぐ2位。パリのワインショップを覗いてみても、ここ数年のジャパニーズウイスキーの人気は目を見張るほどだ。

一方、フランス人の蒸留酒愛と相まって職人魂もメラメラと燃え始めており、数年前からウイスキーの生産者が各地で増加している。スコッチやジャパニーズウイスキーに次いで脚光を浴びるのはフレンチウイスキーとなるのか。フランスの最新ウイスキー事情をレポートする。

 

<カーヴィストに聞く売れ線のウイスキー>

劇的な盛り上がりを見せるフランスのウイスキー市場が、さらなる段階に向かっている。これまでの歴史を振り返ると、1960年から70年代に輸入制限が解除されて以来、特にバーボンを中心に、スーパーやハイパーマーケットでの販売が拡大。80年代にはコーラを混ぜて飲むスタイルがブームとなり、ウイスキーが広く一般に愛される蒸留酒として定着した。

その後90年代以降はスコッチが脚光を浴びて、「モルトウイスキー」「シングルモルト」がキーワードとなり、プレミアム・ウイスキーへの関心も高まっていった。そして今、さらにウイスキーの楽しみ方が広がり、幅と厚みを帯びてきた印象だ。まずはパリのカーヴィスト(小売酒販店)に最近の売れ行きの傾向を伺った。

 

<パリのワインショップ、カーヴィストもウイスキー重視へ>

フレンチウイスキー連盟会長のフィリップ・ジュジェ

華々しい人気を誇るウイスキー。圧倒的にワイン中心のカーヴであっても、販売面積に占める割合が近年顕著に増えてきたように感じる。ウイスキーについて説明するスタッフの目の輝きも一際で、売れ行きが好調であることを物語っている。スピリッツ連盟(FFS)の2016年度の調べによると、スピリッツのフランス国内消費のうち、ウイスキーは39.5%を占め、他の蒸留酒を引き離し、トップを走り続けている。

パリ6区の住宅街にあるパリ・カーヴは、地元の人が足を運ぶワイン中心のお店だが、3年ほど前からは顧客の問い合わせが急増したため、ウイスキーの品揃えを増やしたそうだ。数年前までは数種類のみの取り扱いだったところ、現在はスコッチ、バーボン、アイリッシュを中心に100種類を揃えている。

フランス人の好みの基準となるのは、「ピート香」「ヨード香」「燻製香」で、ウイスキー通は特にこれらの風味を好む。引き続きその傾向ではあるものの、最近はとことん「ピート香」が感じられるものか、もしくはまったく反対に、フルーティで軽やかな飲み口のものか、どちらかに好みがわかれるそうだ。すでにウイスキーに慣れていて自身の好みを把握している40~50代の世代は、「ピート香」の強い個性的なものを好む傾向にあり、20~30代の若い世代は、シェリーかポートかソーテルヌか、熟成に使われた樽の種類にこだわる傾向があるという。

また素材の括りでは、ライ麦が特に注目されており、異なる生産国のライ麦ウイスキーも揃えている。そして何と言っても日本産ウイスキーは爆発的な人気。毎日のように顧客からの問い合わせがあり、新商品が陳列されたとしても、口コミで知れ渡り、2日も待たずして売り切れてしまう状況だという。(Tomoko Inoue)

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