カタルーニャの偉大な発見 DOモンサンとは

スペインからDOモンサンの生産者が来日して試飲会を開いた。

スペイン・カタルーニャのプリオラートをぐるっと包み込むようにひろがるブドウ畑が、DOモンサンの産地である。その外周をモンサン、ラ・フィゲラ、リャベリアなどの山並みが取り囲んでいる。その地形は起伏に富んでおり、最も低いところで50m、最高点は700mにもなるという。

モンサンのワインはプリオラートに比べると、フレッシュで明るい赤色が特徴だ。また、モンサンの栽培家の生産規模は小さいことが特徴で、かれらの多くは6つの協同組合に所属している。自前で醸造瓶詰めする生産者は生産規模が小さい。かつてはブドウを協同組合に納入していた。

 

<モンサンの気候>

DO域内を北から南へと流れる河川はエブロ川へとつながる。この川を伝って地中海の風が吹き込んでくるが、それはきわめて限定的で、気候はむしろ内陸の特性を持っている。

ブドウ成熟期間中の平均気温は最低9℃から最高21℃まで。冬は寒く夏は乾燥して暑い。一日の昼夜の気温差が大きく、ブドウがゆっくり熟し酸度を保持することができる。

 

<モンサンの土壌>

かつて、プリオラートとモンサンの境界線はどのようにして引いたのか尋ねたことがある。答えはみな「リコレリャがあるかないか。プリオラートにはあるがモンサンにはない」というものだった。モンサンからプリオラートへの道すがら、「ほらここからリコレリャが露出しているだろう。プリオラートの始まりだ」という人もいた。

ところが、今回の説明によると、モンサンには石灰質土壌、花崗岩質土壌とともにリコレリャ(粘板岩)土壌もあるのだという。さまざまな種類の土壌がモザイク状に分布しているのがDOモンサンなのだと教えられた。

 

<モンサンのブドウ>

代表的な栽培品種は、白品種がガルナッチャ・ブランカとマカベオ。ほんの少しだがシャルドネ、モスカテル、チャレロ、パレリャーダも栽培している。白品種の栽培面積は110haで全体の6%。一方、黒ブドウは1,800haに栽培されている。ガルナッチャ・ネグラ(645ha)、カリニェナ(542ha)が二大品種。これらにウィ・ダ・リェブラ(=テンプラニーリョ、202ha)、シラー(145ha)、メルロ(129ha)、カベルネ・ソーヴィニヨン(127ha)が続いている。シラーの栽培面積が増加傾向にある。

<モンサンのサブゾーン>

一言でモンサンといっても標高も違えば、土壌タイプも異なる。それで2008年からサブゾーンの策定が進んでいる。VITECという栽培醸造分析機関が全体を6つのサブゾーンに区分している。まだ法的に認められているわけではない。

①エル・モラール/エル・マスロッチ/ダルモス

南西部。赤色粘土、シルト、砂の多い土壌。栽培品種はカリニェナが多い。パワフルであたたかみあるワイン。

②ラ・フィゲラ/カバセス/ラ・ビルマス/マルガレフ

西部。石灰粘土質が主体、エブロ川の運んだ岩石や粘土もある。標高は300m~500mで起伏が大きく、収穫のタイミングの遅い地区。

③ファルセット

南部の町ファルセットを取り囲む地域。年間降水量は650mm。サウロという花崗岩の風化した砂質土壌が多い。

④コルヌデリャ・ダ・モンサン/ウルデモリンス

北東部。標高400m~700mで最も高地にあり、収穫が遅い。ウルデモリンス村はシルト、クルヌデリャは石灰質、粘板岩、小石の多い土壌。

⑤マルサ/カプサネス/エルス・ギアメッツ/ラ・セラ

最南部。リャベリア山地の影響が強い。保水性の高い粘土質土壌が主体。粘板岩、砂、シルトも多い。

⑥プラデル・デ・ラ・テイシェタ/ラ・トレ・デ・フォンタウベリャ

南東部。石灰質土壌が多く、パナルというシルトを多く含む土壌。降水量は667mm。

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