サントネージュ・ニッカ余市ヴィンヤード 5年後の初ヴィンテージを目指し植樹式開催

植樹式にて。(左から) 西川浩一サントネージュ・ニッカ余市ヴィンヤード社長、岸本健利ニッカウヰスキー社長、細山俊樹余市町経済部長

 

アサヒビールは5月8日、2017年2月に設立した農業生産法人「サントネージュ・ニッカ余市ヴィンヤード㈱」を通じて北海道・余市町内、梅川町に取得した4haの葡萄畑において、植樹式を行った。

この畑は標高約100m。ニッカウヰスキー北海道工場から車で西におよそ10分のところにある。穏やかな南向き斜面は陽光に恵まれ、粘土質土壌で一部に暗渠も敷設され排水性にも優れる。かつてはリンゴやブルーベリーなどが栽培されていたが、防風林として圃場を囲っていた白樺の樹は圃場の入り口部分の2本を残して伐採され、山と海の両側から吹く風通しはさらに向上した。余市の夏は30℃を超えることもあるが、平均気温はほぼ10℃。盆を過ぎると涼しさが増し、ブドウのゆっくりとした生育が促される。生育期における降雨量も多くはないようだ。

今回は一昨年から用意していたピノ・ノワール、ケルナー、ピノ・グリ、シャルドネなど苗木5000本を畝間2.5m、樹間1.2mの幅で植樹。最終的には4haに1万4000本を植樹する計画だ。

南向きの緩斜面に広がるサントネージュ・ニッカ余市ヴィンヤード

南向きの緩斜面に広がるサントネージュ・ニッカ余市ヴィンヤード

「この畑はもともと果樹栽培に向いた南向き斜面。一昨日、昨日と続いて雨が降ったが、
水たまりが全く見られないほど排水性に優れている。2017年3月に用地を取得し、5月から造成工事を行ってきた。垣根を支える杭は2500本で、初雪が降る11月前に設置を完了した。苗木は山梨・山形の専門業者に委託し、最初の5000本が4月に到着。ヴィンヤード・サポートとして30人を募集したところ、すでに道内を中心におよそ400名の応募があった。今週土曜(5月12日)には一気に植樹を終える予定だ。このヴィンヤード・サポートチームは収穫にも携わってもらい、参加者にはファーストヴィンテージのワインを提供していきたい」と、サントネージュ・ニッカ余市ヴィンヤードの西川浩一社長。

アサヒビールの福北耕一マーケティング第4部長は、「国産ブドウ100%から造られる日本ワインは2016年に183万箱となり、国内製造ワイン市場の約2割を占める。今後も年率2~3%程度の増加が見込まれ、2023年には250万箱、現在の1.4 ~ 1.5倍になるとみられる。こうしたなか、我が社は昨年4月、創業70年以上のサントネージュワイン( 株)の社名を冠した日本ワインブランド『サントネージュ』を立ち上げるとともに、山梨県牧丘町の契約栽培畑に甲州を、山形県上田市でもソーヴィニヨン・ブランを定植した」

「余市は果樹栽培において高い技術が蓄積されている土地柄。今回の植樹を第一歩として、2023年には収穫量約30トン、約2000箱のファーストヴィンテージをリリースする予定だ。山形のカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネなどに続いて、ピノ・ノワールも増え、サントネージュワインの奥行きが広がることが期待される。余市産ワインをサントネージュのフラッグシップワインとしていきたい。2025年には自社畑を10ha以上に拡張、日本ワイン販売量を現在の3倍の2万箱、売上規模で約3億円を目指す」と語った。

続きはWANDS2018年6月号をご覧ください。
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