セラー・マスター ジル・デコートによるボランジェR.D. 2004マスタークラス

セラー・マスターのジル・デコート(右)とコマーシャル・ダイレクターのギィ・ド・リヴォワール

今春ボランジェはR.D.の新ヴィンテージ 2004年をリリースした。それに合わせてセラー・マスターのジル・デコート、コマーシャル・ダイレクターのギィ・ド・リヴォワールが来日し、とても面白いマスタークラスを開催した。

ボランジェR.D.

初めてのR.D.は1952年ヴィンテージで、1967年に発売した。

「R.D.が生まれたのはマダム・ボランジェの先見の明によるもので、1960年代にはとても独創的な商品だった。革新的であり素晴らしく、大胆な発想だった。当時はフランスでさえ、古いヴィンテージのシャンパーニュはまったく流行っていなかった上に、ドザージュが少ないキュヴェもなかった。初ヴィンテージでも6g/l以下のカテゴリーで出荷したとわかっている。長い瓶熟成期間における酸素交換について気がついていたわけではなかった。しかし、マダムはデゴルジュマンがとても重要な意味を持つことには気がついていたため、ラベルにその日付を記すことにした。当時裏ラベルはなかったので表ラベルに1967年6月6日と記されている」。

時間に関する試飲Ⅰ

ブラインド試飲の第一弾は「神秘的なヴィンテージ」R.D. 2002、2種類の比較だった。

Wine No.1は、大胆さとフレッシュさが感じられる。フレッシュなフルーツにスパイス、そして少し焦げたニュアンスもある。対してWine No.2は、よりふくよかで香りが開き、複雑で熟した果実コンフィやスパイスもより多くグリルした感じあり、味わいもリッチだ。

どちらもデゴルジュマンの日付が同じでドザージュも3g/lだが、No.2はNo.1より15分早くグラスに注がれていた。

「双子が15分差で生まれて、性格が少し違う、という感じ。15年と長期間熟成されていたワインが、封を開けられて急にたっぷり息をした、ということが影響している。酸素と触れ合うことで、その内包しているものが一気に現れたということだ。この15分で15年の変化を体験したことになる」。

 

フレッシュ感に関する試飲

ブラインド試飲第2段は、フレッシュ感に関するもので、R.D. 2004を3種類比較した。

「香りは複雑でありながら、味わいはフレッシュであるべきだと考えている。フレッシュ感にもいくつかの側面がある。例えば、サービス温度でも感じ方は異なる。香りにおいては、花やレモンは、チョコレートよりもフレッシュに感じる。また味わいにおいては、ドザージュによっても異なる」。

Wine No.3は、柑橘類とほんのりとしたトースト香で、とてもフレッシュ。Wine No.4は、洋梨のコンポートが香り、まろやかでなめらかな口当たり。Wine No. 5は、バターやよく熟した甘い果実が香り、とてもまるくリッチな味わいだった。

これらはドザージュが異なるR.D. 2004で、0g/ℓ、3g/ ℓ、8g/ ℓという順番だった。ドザージュは味わいだけでなく香りにも大きく影響していることがわかる。

「醸造チームでは1g単位で試飲する。ドザージュ・ゼロは2005年のVVフランセーズだけで、基本的にはしない方針だ。8g/ ℓは、グランダネやスペシャルキュヴェのドザージュに近い。No.3は苦味を感じるし、No.5は香りが開いているが味わいが甘すぎる。No.4はドザージュが少ないのでシャンパーニュそのものの純粋性やハーモニーを表現できる。私たちはワインに自信があるのでシンプルなブレンドをしており、ドザージュについても複雑さを加えるためではなく、バランスをとるのが目的だ。ピュアでシンプルであることは、とても重要だと考えている」。

つづく (Y. Nagoshi)

続きはWANDS2018年6月号をご覧ください。

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