2018年上半期スパークリングワイン市場の動き シャンパーニュとスプマンテが好調

年が明けてもワインの売行きは好転していない。それどころか4月の値上げでいっそう厳しさが増しているかにみえる。しかし、スパークリングワインの売行きは好調で前年水準をクリアしているようだ。

 

2017年はシャンパンが良く売れた。ただ、年末のスパークリングワイン商戦はうまくいかなかった。前年、一斉にリリースされたチリの動物ラベル・スパークリングの不振が一つの要因である。ただそれでも通年の販売量は増えた。未だに一年間の販売量に占める年末商戦のウエイトは大きいものの、通常期にスパークリングを飲むことが一般化してきたからだといえる。「特別な日(ハレの日)の飲み物というポジションから、ちょっといい日(プチハレの日)の飲み物というポジションになってきている感がある」と、メルシャンは見ている。

 

また2017年の輸入量も404万ケースになり初めて400 万ケース台に載せた。スティルワイン輸入量は2,155万ケースだったので、輸入ワインのおよそ6本に1本がスパークリングワインということになる。

 

財務省関税局のまとめた2018年1月~4月のスパークリングワイン輸入通関数量をみると、年初から増勢が続いており前年同期比5.5%増の113 万ケースである。ただ原産国別にみると増えているのは、フランス、イタリアと復活の気配を見せるアルゼンチンだけで、あとはみな前年水準を下回っている。その理由のひとつは、FOB上昇を見越して前年のうちに前倒しで輸入したものがあったことだ。つまり実際のワイン販売は輸入量の減少幅ほど悪くなく、逆に大方は比較的順調に売れていると見てよいだろう。厚めになっている在庫が解消されれば輸入量も上向くのだろう。

 

スパークリングワインの年間販売量に占める夏場のセールスのシェアが年々大きくなっている。夏のスパークリングワイン販売量は盛夏ではなく初夏の方が大きい。あまりに暑いと消費はワインよりもRTDやビールに流れていくからだ。消費シーンも料飲店だけでなく家飲みへと移っている。

 

メルシャンは、「初夏の日差しが心地よい自宅のバルコニーや窓際で、明るい時間帯からリラックスしてスパークリングワインを楽しむことで、ひとびとの休日を明るく華やかに演出したいという思いから、今夏は“ 昼シュワ”というキーワードで、スパークリングワインの自宅での飲用シーンを酒販店頭やWEBで提案します」という。

夏のスパークリングワイン需要を掘り起こすことが年間需要の拡大につながり、延いてはワイン市場にいっそうの活性化をもたらすだろう。

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WANDS2018年6月号は「夏のスパークリングワイン」「ブルゴーニュワイン」「ビール」特集です。
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