スペシャリティビール TOKYO隅田川ブルーイング ゴールデンエール アサヒビールより6月5日新発売

本格クラフトビールを展開してきた東京隅田川ブルーイングの安保昌俊 代表取締役社長と藤本健 取締役は、新商品の「スペシャリティビール」の「ゴールデンエール」について、そのコンセプトなどを発表した。

個性派へのニーズ拡大

「TOKYO隅田川ブルーイング」の歴史は1995年に遡る。酒税法の改正により、ビール製造免許取得に必要な最低製造量が年間2,000klから60klに引き下げられたことなどを受け、アサヒビール本社に隣接する飲食店で東京第一号の地ビールを造り始めた。その後、地ビールのブームが巻き起こり全国で300ヶ所もの地ビール製造所が誕生した。個性豊かなビールが各地で現れた、アサヒビールはその支援も数多く行ってきた。

2017年になりこだわりや個性ある商品ニーズの拡大に伴って、東京23区内の飲食店へ本格クラフトビールの新ブランド「TOKYO隅田川ブルーイング」の展開を始めた。また、茨城工場内に小規模醸造設備「マイクロブルワリー」も新設した。従来とは一線を画する新たな商品開発の手法を確立することができ、これが本格クラフトビールや今回のアサヒのスペシャリティビールの誕生に繋がった。

本格クラフトビールの販売実績は、当初の見込みを大幅に上回っている。1店あたりの販売数量が昨年9〜12月で見込みの倍であった。そのため、今年の取扱店目標を当初の300店から150店に修正した。業務用市場では個性的なこだわりの商品へのニーズが大変高く、樽生商品の取り扱いアイテム数も増加傾向にある。このような背景があり、大規模工場でも個性派ビールを製造する準備を整えた。それがスペシャリティビール「ゴールデンエール」であり、バラエティあふれる商品によりお客様の選ぶ楽しみを提供する。

販売は10万ケースで、うち70%が業務用の樽生で全国展開する。残りは認知度向上のために首都圏エリアのコンビニエンスストアにて数量限定で発売する。350ml・246円前後(税込)、500ml・322円前後を想定している。

 

ゴールデンエールの特徴

今までも隅田川ブルーイングでは150種類以上の商品を生み出してきた。実際に飲まれるお客様の声に耳を傾けながら、あるいは表情を観ながら、コミュニケーションを通して様々なレシピを開発した。隅田川ブルーイングで吸い上げた消費者ニーズを元に、アサヒビールの大規模工場向けのレシピを開発・提供し、実戦に至ったわけだ。

大きな特徴は「華やかなコクと爽やかな後味が楽しめる、輝く黄金色のエールビール」。 通常、エールタイプのものは個性があり後味が濃厚になってしまうことが多いが、これは後味が爽やかになるようホップの使い方を工夫している。開発には半年ほどかかった。

華やかさを醸し出す「上面発酵酵母」は数百種類の中から選んだ。極めてフルーティーで華やかな香りを生み出す。また、北米産で爽やかな香りと後味の「シトラホップ」を一部採用した。投入するタイミングや煮沸する時間も、分刻みで調整した。また「美しく輝く黄金色」を実現するために、麦芽の選定や配合にも工夫した。「麦芽100%」使用だ。

このようにして、香気華やかで爽やかな苦味を創出することができた。醸造家が蓄積してきたお客様のニーズの集大成のひとつと言える。大規模設備での製造に困難があったが、今まで様々なタイプを造った経験のある名古屋工場で再現することができた。

 

スペシャリティビールとは

TOKYO 隅田川ブルーイングが昨年から23区内の飲食店に提供し始めた3種類「ケルシュ スタイル」「香るヴァイツェン」「ビタースタウト」を「本格クラフトビール」と呼ぶのに対し、今回のゴールデンエールは「スペシャリティビール」と呼んでいる。

本格クラフトビールは、小規模醸造設備で造り、無濾過で販売している。これに対し、スペシャリティビールは、大規模工場で造り、濾過している。樽での販売なら可能だが、缶の販売で無濾過は生きた酵母が入っているため取り扱いが困難だからだ。明確な「クラフトビール」という定義はないが、濾過しているのでクラフトではなく個性派ビール=スペシャリティビールと呼ぶことにした。だから、これはクラフトビールではないため隅田川ブルーイングでは提供しない。また、価格的にもクラフトビールよりずっと安い。

北米でクラフトビールがブームになり、日本にその流れが入ってきたは2012年とまだ最近のことだ。ビールへのこだわりがある、20代、30代といった若い世代をターゲットとして考えている。若年層のビール離れが語られるが、カフェ・ジン&ウォッカのようなクラフト系と同様に感度の高い方たちにも響くのではないかと期待している。まずは数量限定で発売し、反応を聞きながら今後の広げ方を検討する。

この後、スペシャリティビールの後続品をふたつほど考えているが、まだ発売時期は公表できないという。どのようなタイプが発表されるのだろうか。(Y. Nagoshi)

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