今、ローヌの白が面白い! 〜E. Guigalに聞くローヌの白〜

ローヌといえば赤ワインだ。10年あるいは15年ほど前までは特に力強い赤ワインを思い浮かべる産地だった。しかし最近赤ワインでもエレガントなタイプに出会うことが多くなってきた。それに加えて白ワインが面白い。ローヌの白ワインの生産量も増えているのだろうか。いくつかのワインを試飲してローヌの大御所E. ギガルに質問を投げかけてみた。

 

Q1 (試飲したヴィンテージ)2010, 2013, 2015, 2016年について、「白ワイン」として、それぞれの気候やワインの特徴を簡単に教えてください。

2010/バランスのとれた優良なヴィンテージ

2013/酸味がしっかりした年であり白ワインにとって偉大な年。エルミタージュ・エクス・ヴォット・ブランが各国で非常に高評価を得た。

2015/太陽に恵まれた年でとてもリッチで力強い。

2016/ボリューム感の中に繊細さが感じられる

Q2 ここ10〜15年ほどでローヌの白ワインの需要が伸びているでしょうか。もし伸びているとすれば、その要因はなんだと考えられますか。コート・デュ・ローヌ全体で、またギガルの生産量のうち白ワインが占める比率はどのぐらいでしょうか。白ワインに対するギガルならではのこだわりがあれば教えてください。
ローヌの白ワインが全体的に増えているのは事実。主な理由は品質の向上にあると考えている。それでもローヌ全体で白ワインの比率は6%に過ぎないが、E. ギガルでは白は25%に達する。2代目マルセルがドメーヌに参画した1961年には、すでにエティエンヌが赤ワインのベースを築いており、マルセルは白ワインにおいても最高品質のものを造りたいというモチベーションを持っていた。それまでは白ワインは重々しくフィネスに欠けるものが多かったが、マルセルはフィネスのあるワインを目指した。

E. Guigalは、現在ローヌの白ワインの最大の生産&販売をしている会社だ。

Q3 「コート・デュ・ローヌ白」がヴィオニエ主体(55-65%)になったのは何年ヴィンテージからでしょうか。また、そのきっかけは。また、2015年にはグルナッシュ・ブランもブールブーランも2%とありますが、その役割は。
ヴィオニエが50%を超えるようになったのは15年ほど前から。一般的にコート・デュ・ローヌ白はグルナッシュ・ブランが主体で昔は100%グルナッシュ・ブランというワインもあったが、ギガルではグルナッシュを減らしてきた。2015年は特に暑くて酸味に欠ける傾向だったため、意識的にグルナッシュを抑え、反対に酸の高いブールブーランを加えた。グルナッシュは通常の年でも30%を超えることはない。

ヴィオニエを主体とすることで、品質がより安定し気品あるスタイルになったと感じている。

 

Q4 コンドリューは醗酵の3分の1が新樽、熟成については100%新樽のようですが、ヴィオニエあるいはコンドリューの魅力を引き出すには新樽がよいのでしょうか。

E. Guigalのコンドリューの醗酵には、新樽・旧樽・ステンレスタンクを併用している。ラ・ドリアンヌの場合には100%新樽。ヴィオニエは酸が少ない品種だが、新樽のタンニンがワインのバランスを保つのに貢献する。樽ごとに温度管理を徹底している。冷水を使うPlongeurと呼ばれる器具によって16〜18℃にコントロールしている。

 

試飲したワインは以下の通り。

コート・デュ・ローヌ ブラン 2015

毎年ブレンド比率は変わるが2015年ヴィンテージは、ヴィオニエ65%、ルーサンヌ15%、マルサンヌ8%、クレーレット8%、ブールブーラン2%、グルナッシュ・ブラン2%。醸造はすべてステンレスにて。手頃な価格にも関わらずこのコート・デュ・ローヌ・ブランの収穫量は30〜35hl/haという低さ。

やはりヴィオニエ主体らしい香りの華やかさがとても魅力的で、桃、花、スモモなどが感じられ、口中でもさらに香りが広がる。香りの華やかさ、ボリューム感、フレッシュさと三拍子揃った手頃な価格の白ワインを見つけるのはなかなか難しいのではないかと思う。後味に残る桃や杏などのストーン・フルーツ系の香りが印象的。

シャルドネには少し飽きた、でもソーヴィニヨン・ブランのグリーンなトーンはあまり得意ではない、でも白が飲みたい、という人にお薦めしたいタイプ。野菜や魚料理と楽しみたい雰囲気を醸し出している。

 

クローズ・エルミタージュ ブラン 2013

ギガルが前オーナーの引退に伴い2001年に購入したドメーヌ・ド・ヴァルーイは、今では「エルミタージュ エクス・ヴォット」という名前で知られるようになったが、そのヴァルーイが所有していたクローズ・エルミタージュの畑のブドウはこれに使われている。ブレンドはおよそマルサンヌ95%+ルーサンヌ5%。部分的に樽熟成している。生産量は年間に30,000本ほど。

こちらはヴィオニエ主体のコート・デュ・ローヌとは異なり、少し控えめな香りながら、桃や柑橘類、ほんのりとスモーキーさが感じられる。落ち着いた味わいでふくよかさがある。海老カツサンドのようなカリッとした魚介類の香ばしい揚げ物に合いそうな予感がする。

 

サン・ジョセフ ブラン 2016

この銘柄にも、ドメーヌ・ド・ヴァルーイが所有していた畑、そして同じく2001年にギガルが購入したジャン=ルイ・グリッパの畑のブドウも用いられている。つまり「リュー・ディ・サン・ジョセフ ブラン」の流れを汲むものだ。ブレンドはおよそマルサンヌ95%+ルーサンヌ5%。部分的に樽熟成している。生産量は年間に40,000本ほど。

よく熟した桃や柑橘類などの黄色い果実の香りがまだフレッシュで、味わいにも熟度が感じられ、ボリューム感があり起伏のあるテクスチャー。ゆったりと食事とともに、トロッとした食感を十分楽しみたい。

 

エルミタージュ ブラン 2010

自然酵母だけでステンレスと小樽にて醗酵し、熟成はコンドリューで使用した小樽にて行う。およそ、マルサンヌ95%+ルーサンヌ5%で、樹齢は30年から90年ぐらいまで。毎年13,000本ほどしか造られない。

グラスに注ぐと、とても綺麗な光沢のある黄金色! クロワッサンやトーストのような、パン屋さんを思い起こさせる香ばしさに、オレンジピールやべっこう飴的な熟成感が出始めた複雑性のある香り。落ち着いたまろやかな味わいで、口中でさらに香りが広がる。これは家で飲むのがもったいない。バターソースを添えた白身魚、キノコのパイ包み焼き、あるいは高級な焼き鳥など、ちょっと上級なお料理があるとワインがより美味しくいただけるはず。

 

コンドリュー 2013

自然酵母だけでゆっくりと行うため醗酵は90日ほどかかるようだ。醗酵は2/3がステンレスと1/3が小樽(新樽)で、熟成はすべて新樽。

華やぎがあるが落ち着きも感じられる香りで、セミドライの柚子や桃、スモモを思い起こさせる。ほんのりとスパイシーさが感じられるのは樽に由来するのかもしれない。ともあれとっても優雅な香りで、もし美女に喩えるなら年の頃は30代半ばだろうか。なめらかでオイリーな食感で、果実味が生き生きとしている。これもできればプロの料理といただきたいところ。軽く火を入れた手長海老とか、うなぎの白焼きとか、なんだかそんなお皿を思い浮かべた。

(Y. Nagoshi)

輸入元:ラック・コーポレーション

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