扇谷・手島 両氏による共同代表制で 新しいスタートを切った カリフォルニアワイン協会

扇谷まどか、手島孝大両氏

年初来、その去就が注目されていたカリフォルニアワイン協会(California Wine Institute、略称CWI)日本事務所の新体制が固まり、7月2日から業務を開始した。

日本事務所は、日本市場における新たな業務委託先として任命された(株)日本アド内に開設。同日付で扇谷(おおぎや)まどか、手島孝大( てじまたかひろ) 両氏が共

同代表に就任し、松井花織氏が引き続き常駐スタッフとして勤務する。新日本事務所の所在地は〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-26(Tel:03-3208-5672 Email: Japan@discovercaliforniawines.com)。

日本アド(坂田幸夫社長)は1969年に設立されたクリエイティブエージェンシー。広告宣伝企画全般のプランニング・制作、販売促進活動に関するコンサルティング・制作などを主要業務としている。

共同代表のひとり、扇谷まどか氏はWSETのディプロマ資格保持者で、ワイン輸入会社The Openerのほか、ワインバー2店舗を経営するワインビジネスのプロフェッショナル。

手島孝大氏は在ロサンゼルスのクレアモント・マッケナ大学卒。大手飲料会社の米国法人、外資系戦略コンサルティング会社などでキャリアを重ねた後、今年6月末までの直近10年間にわたり、ワインオーストラリアの日本およびアジア太平洋地域代表として豪州ワインのプロモーション活動で手腕を発揮してきた。自ら設立したコンサルティング会社「Dynatos Pty Ltd、本社:豪州シドニー」に活動拠点を置いているが、今後は年数回帰国するほか、ビデオ会議システムやチャットアプリなどを活用しながら常時、在京チームと連携する予定だ。

 

BTGプロモーションなどを継承しつつ消費者および業界向け活動を強化

両代表は7月6日に開催されたインポーターズ・ミーティング兼メディア発表会において、新体制下での今後の活動計画について説明。ワインインスティテュート日本事務所(今後はカリフォルニアワイン協会 日本事務所に名称統一)がこれまで展開してきたバイザグラス・プロモーション、カリフォルニアドリーミングツアー、グランドテイスティングなどの諸活動を継続・発展させることを含め、新たなマーケティングプログラムとして以下の10の活動計画を発表した。

①ワインプロモーション 1995年以来実施されてきた料飲店向け「カリフォルニアワインバイザグラスプロモーション」を継承し、従来通り明年4~5月に実施。これまで首都圏や関西に限定されていた対象地域を全国に拡大し、デジタルツールの活用により実績管理を徹底し、必要に応じて監査人(覆面)を手配して審査の公平性を期す。店舗規模別の各賞に加え、消費者参加を促す仕組みも設ける。

②業界向け試飲会 「カリフォルニアワイングランドテイスティング」を本年10月29 日に東京・品川の開東閣にて開催。初年度の本年は東京開催のみとし、消費者の部は行わない(実施後に再度検討予定)。

③トレード・カンファレンス

④アンバサダープログラム

⑤消費者向け教育活動 ワイン愛好家(マニア)向けにカリフォルニアワインの特定テーマにフォーカスしたマニアックなクラスの開講。一般消費者(ワインの専門知識を持たない層)向けには、「カリフォルニア・ワイン&フード・ディスカバリー」(仮称)と銘打ったペアリング・イベントを2019年前期に複数回開催する。

⑥消費者イベント

⑦デジタルマーケティング 本年8月以降に日本語ウエッブサイトの整理・統合を図り、本部公認の短縮URL(www.calwines.jp、予定)に一本化。また、これまでのウエッブ上のコンテンツの見直しを行い、日本向けに適した情報やトピックスを充実させる。日本語Facebookページを継承し、カリフォルニア本部提供のコンテンツの質の高い翻訳や、日本独自のコンテンツの比率を徐々に高めていく。

⑧メディアおよびPR

⑨招聘旅行 BTGプロモーションの優秀店及びメディアを対象としたカリフォルニアツアーを本年および来年9月に実施。

⑩協力組織との連携・コラボレーション これまで必ずしも優先されてこなかった米国

政府や、商工会議所、観光局、ナパヴァレーヴィントナーズなどカリフォルニア州関連組織、食および料理関連団体などとの連携を模索し、各種活動における相互協力を追求していく。

 

「カリフォルニアワイン協会は現在13か国に事務所を置き、重要な市場情報の提供やプロモーション支援活動を行っている。カリフォルニアワインにおいて日本や英国は伝統的に優先順位の高い市場。共同代表制は英国でも採用されており、異なるスキルと経験を持つメンバーがチームを構成し、外部組織や協力者との連携を図りながら相乗効果を発揮していきたい」

「SWOT 分析によれば、カリフォルニアワインは価格帯が広く、特にカルトワインは確立されたイメージを持っているのが強みだが、一般的なワインのイメージは必ずしもはっきりしていない。欧州とのEPA 協定が発効されれば日本に入ってくるワインの89%は関税上優遇されることになるが、(TPPから離脱した)米国はこの対象から外れている。カリフォルニアワイン業界としては、二国間交渉の進展やCPTTPへの復帰を通してなんとか関税軽減を形にすべく、ワシントンへのロビー活動を強化する意向だ」と、両代表は語っている。

 

WANDS2018年7&8月号は「米国西海岸のワイン」「ボルドー・プリムール」「夏のスピリッツ」特集です。

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