話題の新商品を深掘り! 「ホワイトホース ハイボール」

えっ、“ハイボール、スコッチで!”ですか?

 

ハイボール缶の波がとうとうスコッチにまで押し寄せた。なんと、あのホワイトホースがハイボール缶をつくったのである。

若い時分、チューハイやハイボールは飲めたけれど、スコッチは高嶺の花だったという世代がこの製品を理解するには、考え方のコペルニクス的転回が求められるようだ。そこで、この商品開発を担当したキリン・ディアジオの高見澤智恵さんに発想転換のための助けを求めたら応じてくれた。

 

そもそもハイボールは、アルコールの粗い未熟なウイスキーをソーダで割って飲みやすくしたカクテルだった。同じように甲類焼酎をソーダで割ったのが焼酎ハイボール(チューハイ)である。

一方、スコッチは熟成ウイスキーの代名詞ともいえる存在で、最低でも3年は寝かせないとスコッチを名乗ることができない。しかもホワイトホースと言えばスタンダード・スコッチの花形で、ながらく日本市場で大きな販売量を誇っていた。ウイスキー消費に陰りがでてからは、その販売量もしばらく減少していたが、ブームの再来とともに回復して、2016年からはリーディング・ブランド(※1)になっている。

※1 IWSR2016,2017 日本国内における輸入スコッチウイスキー売上容量換算より

つまりアルコールの熟成という視点で見ると、スコッチとハイボール用のウイスキーは対極に位置する酒であると思っていた。そのスコッチを代表するホワイトホースが、なぜハイボール缶をつくったのか。この疑問を、そっくりそのまま高見澤さんに投げかけた。答えは次のとおり。

 

オン・ザ・ロックや水割りでホワイトホースを飲んでくださる方の中には、そのように指摘される方もおられます。しかし、ハイボールでウイスキーに親しみをもてるようになった新しいユーザーは“ハイボール、スコッチで!”が新しいチャレンジに映るようです。

1982年がピークでその後は減少の一途を辿っていたウイスキー市場ですが、ハイボール・ブームによって息を吹き返しました。課税量は2009年以降、9年連続で増加し拡大しています。はじめはジャパニーズウイスキーがその流れを牽引しましたが、急激な需要増加による原酒不足で出荷量をコントロールせざるをえない状況になりはじめた2014年以降は、輸入ウイスキーが伸長しました。当初はバーボンの伸びが目立ち、現在はスコッチが著しい成長をみせています。またジャパニーズとバーボンからスコッチへの流入も見られます。

飲用経験の増えたお客さまがウイスキーの香味に親しみ、新しい香味を求め始めたこともあると思います。一方、ハイボール缶市場も拡大をし続け過去5年間で約2倍になりました。RTDの中でもハイボール缶の伸び率は顕著です。ところがお客さまに現在のハイボール缶に対する意見を聞きますと、

  • 「ウイスキーの香りがない」
  • 「味がうすい/人工的な感じがする」
  • 「ウイスキーの味わいが少なく感じる」

などの不満を持ち、新しいハイボール缶の登場を待っていることがわかりました。

ハイボール缶ユーザーの不満、潜在ニーズにお応えするには何が良いのか、私たちは考えました。そして、「スコッチウイスキーだけを使ったハイボール缶」に辿り着いたのです。

スコッチのハイボールなら、

不満①→3年以上熟成させたスコッチの樽香

不満②→お酒はスコッチウイスキーだけを使うことで本格感が活きる

不満③→スコッチのスモーキーな味香

という具合にすべてが解決します。

こうしてユーザーの不満や新しいものへのチャレンジという要望には、ホワイトホースだけを使ったハイボール缶を創ることで応えようと決めたのです。

 

早速、「ホワイトホース・ファイン・オールド」をつかったハイボールの商品開発を開始したという。「人工的な感じ」がしないように、ホワイトホース以外の酒はいっさい加えていない。いくつものサンプルを作り、「アルコール分6%」がホワイトホースの香味と缶から直接飲むことを想定した呑みやすさのバランスのベストという結論に達した。

パッケージにもこだわった。ボトルのラベルデザインと一貫性を持たせることで本格感を表現している。さらにブランドのシンボルでもある白馬を大きく配置して親しみやすさを持たせている。商品名はわかりやすくカタカナで表記した。ロゴのHORSEの「R」には馬の尻尾が描いてある。これをカナにも援用した。ハイボールの「ボ」に馬の尻尾が隠されている。ここがキリン・ディアジオのブランドの一貫性へのこだわりだろうか。

 

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