カミュ マスターピース・コレクション キュヴェ3.140 世界で950本、日本市場で60本限定発売

カミュ社5代目当主シリル・カミュによるマスターピース・コレクションは、2013年の発売以来5年ぶり。グローバル・ブランド・アンバサダーを務めるフレデリック・ドゥゾジエが来日し、ブレンド前の原酒を含めマスターブレンディングセミナーを開催した。

キュヴェ3.140とは

カミュは1863年に創業し、コニャック5大企業のひとつでありながら、独立系家族経営を続けている。また、ブドウ農家の家系として畑の個性や土地の個性をそのまま伝えたいと考えている。テロワールとアロマの多様性を生かしているのがカミュだ、という。

そしてスーパープレミアムコニャックの目的は、カミュのクラフトマンシップを発信することにある。そしてブランド価値向上を図ることだ。「キュヴェ3.128」に始まり、「キュヴェ4.176」「キュヴェ2.105」(150周年記念の「キュヴェ5.150」は別扱い)、に続くのがこの「キュヴェ3.140」で、3種類の原酒の合計熟成期間が140年であることを意味している。今回の試みは、その3つの原酒をそれぞれ試飲し、ブレンディング体験し、最後に完成品を味わうという面白い内容だった。

 

グランド・シャンパーニュの65年熟成

エレガントで、丸みを帯びたタンニンを備え、活力がありバランスに優れたスタイルが特徴。1945年に蒸留されたもので、ドイツ軍から守るために樽を2枚の壁の間に隠し、その周りに石を積んでいたからかろうじて残っている。グランド・シャンパーニュはチョーク土壌で酸が高いブドウが得られるため、長寿となる。400ℓのポットスチルで蒸留され、湿度の高いセラーで熟成された。色は3つの原酒の中で最も明るく、上品な香りで、グランド・シャンパーニュらしいカルダモンのようなスパイシーさがある。白檀のようなスパイシーさも熟成中に出てくる。ドライフルーツも香理、なめらかな口当たりで余韻が長い。フォール・ブランシュ100%で、この品種の特徴はフローラルな香り、そしてふくよかな甘みが舌先から始まることだ。

 

プティット・シャンパーニュの39年熟成

ソフトで芳醇で、軽やかで、グランド・シャンパーニュにさりげなく寄り添うのが特徴。プティット・シャンパーニュの土壌は主にチョークで、品種はユニ・ブラン96%、コロンバール2%、フォール・ブランシュ2%。39年前は、まだ薪を使って蒸留していた。当時の責任者がちょっとルーズで蓋をし忘れたら、薪のスモーキーな香りが原酒についてしまった。あとで、わざわざスモーキーな香りがつけられないかと試した人もいたようだ。ライチやグレープフルーツのようなエキゾチックな果実の香りも広がる。

 

ボン・ボアの36年熟成

「キュヴェ3.140」のブレンドの中心的存在。ユニークなアロマのある原酒で、蒸留のプロセス、樽の原産地、カミュ社の3番セラーのどこで保管されていたのかなどを映し出している……。 (Y. Nagoshi)

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