「マンズワイン・スパークリング」と 「日本料理・乃木坂しん」の相性を探る

マンズワインは、「日本がおいしくなるワイン」をスローガンに、日常の食卓に楽しさと華やぎを届けることを目指して、ワインを造り続けている。なかでも和食とのマリアージュを意識したスパークリングワイン造りには定評がある。

マンズワインは山梨県甲州市勝沼と長野県小諸市にワイナリーがあり、それぞれの産地のブドウを醸してワインを造っている。マンズワインのスパークリングワインは大きく分けて二種類ある。一つは山梨県産甲州種とマスカット・ベーリーA種(ロゼ)で造った「酵母の泡」(シャルマ方式)。もう一つは長野県小諸産シャルドネ種で造るソラリス 信州シャルドネ メトッド・トラディショネル・ブリュット(瓶内二次発酵方式)だ。

 

この二種類のスパークリングワインと和食の相性を、東京・赤坂の会席料理店・乃木坂しんのソムリエ・飛田泰秀さんに解説してもらった。事前に飛田さんに酵母の泡(甲州、ベーリーAロゼ)とソラリス 信州シャルドネ ブリュットを届けたところ、飛田さんが料理長・石田伸二さんと相談して相性の良い一皿をそれぞれ用意してくれた。

 

ソラリス 信州シャルドネ メトッド・トラディショネル・ブリュット2009

鯛のたたき スダチともって菊の甘酢漬け

石田 紅葉鯛の皮目を藁であぶる。春の桜鯛よりも脂のノリが良い。生ワサビに塩を塗りこんだものを皮目に塗って、スダチと、もって菊のお浸しを添える。召し上がる時にスダチをしっかりしぼってかける。私の最も思いの強い食材は鯛。徳島は私の出身地であり修行始めの店があった。だから鯛に触れる機会がとても多かった。自らの成長を確認するのは鯛、自信を持って料理できるのも鯛、それはずっと変わることはない。紅葉鯛を2~3日寝かせて柔らかくして旨味をだした。

 

飛田 とてもデリケートな香りと素直な味わいを持っている。ミネラルが活きていて、9年前のワインにしては、まだ熟成感より新鮮味の方が勝っている。抜栓後すぐはとてもミネラルの香りや貝殻を連想させる香りが強かった。その香りにひかれて初めは生ガキにしようかとも思った。熟成しているワインには牡蠣の天ぷらがあう。山椒塩や抹茶塩などさまざまな塩を振って愉しむ。

でもゆっくり味わっていると、やっぱりこの店の定番の鯛にした方がよいと思った。たたきにしたのは、皮と身の間に詰まっている旨味を引き出したかったから。このシャルドネのボディと泡がこの鯛のうまみをいっそう引き立てる。このワインのデゴルジュマンは1か月前なので、フレッシュさが活きているのだろうか。

ソラリス 信州シャルドネ ブリュットには樽発酵タイプもある。これもとても優秀な出来だと思う。和食は繊細なので樽の効いたワインは合わせにくいと思いがちだが、一概にそうとも言えない。それぞれの店のかつお出汁のタイプによって違ってくる。うちは本枯節のしっかりした出汁で対応している。

 

Wine Data  2009年9月23日収穫のシャルドネ100%。小諸市大里地区産でマンズレインカット栽培。収穫時糖度21.53g/100mL、収穫時酸度12.48g/L、収穫時pH3.2、醸造方法はステンレスタンクでアルコール発酵。酵母はEC1118。ティラージュは2010年4月21日と22日、デゴルジュマンは2018年7月26日。アルコール分12.5%、残糖分0.9g/L、pH3.45、総酸度5.4g/L。

 

マンズワイン 酵母の泡 ベーリーAロゼ
牛の冷しゃぶのちり酢ゼリーがけ

石田 冷しゃぶの牛肉は、A5ランクの雌牛の30か月以上育成されたもののクリ(肩肉)を厚さまで指定してスライスしている。肩肉は脂質が少ないので、さっと60℃のお湯にくぐらせて、すぐに冷やす。ちり酢は大根おろしに煮きり酒、濃口しょうゆ、たまり醤油、一味唐辛子で味を調える。酢ゼリーは出汁をベースに濃口しょうゆと純米酢と上白糖を合わせてゼラチンで固め、大根おろしと合わせて上からかける。

 

 

飛田 おいしい肉の旨みとちり酢ゼリーの甘さが、ロゼ・スパークリングの味わいと相乗し、互いをいっそうひきたてている。グラスは白ワイングラスで大ぶりのものがよい。ベーリーA特有のキャンディーのような香りが抑制され、イチゴなどのフルーツの香りが引き立つから。このロゼはバランスがよく上品で、日本の食卓にすごくマッチしている。とてもデリケートで素直なワインだ。日本人が造るから日本人の味覚によっていくのかなと思った。

家庭料理なら肉じゃがや筑前煮などやや甘辛い味付けのお皿にぴったり。乃木坂しんは会席料理なので、牛の冷しゃぶにした。ちり酢ゼリーの甘酸っぱさのあとに大根おろしに加えた一味唐辛子が味わいを引き締める役割を果たす。みずみずしい野菜に巻いてあるので、これが複雑味をつくって、おいしくしかも口中の脂質をすっと流してくれる。

 

Wine Data  山梨県産マスカット・ベーリーA100%。除梗破砕後、セニエして得られた果汁で造ったワインと、醸し発酵したワインをブレンド。酵母はシャンパーニュで選抜されたものを使用。窒素ガス置換したグラスライニングタンクで熟成後、シャルマ方式で二次発酵(耐圧タンク内約20℃で約1か月間)。シャンパーニュで選抜された酵母を使用。アルコール分11.0%、pH 3.30、総酸6.10g/l、エキス分3.46g/100mL。

 

※ワインの詳細と購入は「マンズワインオンラインショップ」へ。

 

WANDS2018年10月号は「日本ワイン・秋編」「ウヰスキーの新しい時代」特集です。
ウォンズのご購入・ご購読はこちらから
紙版とあわせてデジタル版もどうぞご利用ください!

関連記事

ページ上部へ戻る