日本産ぶどう100%ワインの表示基準が変わる!? 国税庁長官告示と通達改正で表示義務化へ

このところ日本産葡萄100%からつくられるワインに対する消費者の関心と需要が高まっているが、こうしたワインを「日本ワイン」と定義してそのための表示ルールをきちんと明確化しようという作業を国税庁が進めている。

国産ワインの表示は現在、酒類業団体法や食品衛生法などによる表示基準のほか、全国5 つのワイン製造者団体によって構成されている「ワイン表示問題検討協議会」が定める“ 国産ワインの表示に関する基準” によって規定されている。この基準は1986 年に制定された自主基準で、その後2 回にわたって改訂が行われ現在に至っているが、法的拘束力はなく、罰則規定もない。特に、日本産葡萄100%のワインと輸入原料を使ったワインが市場で混在している中でワインの表示を一般消費者にもっとわかりやすいものにすること、さらに日本産葡萄100%で造られるワインの品質が向上し、海外のコンクールで受賞したり海外市場でも販売されるようになってきた状況下で、より国際基準に沿った内容のルール作りが求められるようになってきた。

こうした背景のなか、今回、国税庁が進めようとしている表示基準制定には二つの柱がある。ひとつは「果実酒等の製法品質表示基準」の新設で、これにより「日本ワイン」とは何かをきちんと定義づけ、それ以外のワインとの表示による差別化を図ろうというもの。もう一つは、「地理的表示に関する表示基準」の改正で、こちらは現在政府が推し進めている“ クールジャパン” による日本産酒類の輸出促進に寄与すべく、地理的表示そのものの認知度向上と認定手続きを明確化することによりワインを含む日本産酒類のブランド力向上を図ろう、というものだ。

(中略)

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