アンセルム・セロスの甥がつくる RMシャンパーニュ「セロス・パジョン」

「セロス・パジョン」から、オーナーのジェローム・セロス&コリーヌ・パジョン夫妻が初来日し、輸入元のいろはわいんが試飲セミナーを行った。

試飲に供されたワイン

ジェロームはセロス家の4代目で、祖父ロジェは故ジャック・セロスの兄にあたる。ジェロームは1990年代の2年間、叔父アンセルムの下でもシャンパーニュ造りを学んだ。一方、コリーヌの実家であるパジョン家も代々続くシャンパーニュの造り手で、両家の畑を引き継ぐ形で2004 年に「セロス・パジョン」として独立した。

ドメーヌはエペルネから南へ4.5Km、シャヴォ・クルクール村に本拠を構え、現在3つの村にまたがって6haの畑を所有。コート・デ・ブランとヴァレ・ド・ラ・マルヌの間に位置するシャヴォ・クルクール村は粘土質の多い石灰岩土壌で、4分の3にシャルドネを、残り4分の1にピノ・ノワールとムニエを栽培。いずれも1980 年代半ばから90 年代初めにかけて植えられた古木で、円みを帯びたシャルドと、ミネラル感豊かなピノ・ノワールとムニエを育む。

白亜質土壌のアヴィズ村では1968年植樹のシャルドネが100%。また、ヴァレ・ド・ラ・マルヌのダムリー村の畑はやや砂質が混じり、ピノ・ノワールとムニエが主体。パジョン家から譲り受けたダムリー村の畑には1933年に植えられた古木もあるという。

セロス・パジョンの信条は「品質は畑にあり!」。シャルドネはダブル・ギュイヨの変型のようなシャブリ式剪定、ピノ・ノワールはコルドン、ムニエは芽数を多く確保できるヴァレ・ド・ラ・マルヌ式といったように、品種ごとに仕立てを変えている。また、古木を残し、除草剤は一切使わず、防かび剤も必要最低限に抑えるアグリクルチュール・レゾネ(減農薬栽培)を実践している。

「結果的にビオ栽培になったことはあるが、認証をとろうとしたことはない。ビオを維持することは大変で、特に湿気が多いシャンパーニュではいまベト病が蔓延する問題に直面している。ビオを実践していた隣の畑も今年は全滅した。とはいえ、先代の頃と比べれば、農薬使用量は50 分の1程度に減っている」と、ジェロームは語る。

 

Blanc de Blancs Grand Cru Avize NV アヴィズの異なる区画に1955~1970年に植えられた古木の2013年産シャルドネをベースに、リザーヴワインを30%ブレンド。このリザーヴワインは小樽に入れた2004~2012年産のワインをソレラ方式で継ぎ足したもの。瓶内熟成は4年。ドザージュは9g。白い花や熟した桃、蜂蜜の香り。アタックは優しく、円やかなマウスフィール。ピュアでエレガント。

 

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