ドゥラモット ブリュット ブラン・ド・ブラン・ミレジメ2008 今秋、発売開始

ドゥラモットのブラン・ド・ブラン・ミレジメの2008年が日本でも発売開始となった。

ディディエ・ドゥポン社長が来日し、「光のヴィンテージ」と評する2008年はじめ、ドゥラモットの特質などについて語った。

 

シンプルなポートフォリオ

1760年創業のドゥラモットで11代目の当主を務めるディディエ・ドゥポンは、ロワール出身でシャンパーニュ地方での仕事は既に32年にもなるという。21年前にドゥラモットの社長に着任した当初は7つのキュヴェが存在していたが、今の4種類に絞り込んだ。それぞれの差がそれほど大きくはなかったし、少数のキュヴェに集中することで品質を高く保つことの方が重要だと考えたからだ。

また、ブリュットNVのキュヴェのブレンドは着任した当時はシャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエ3種類を3分の1ずつだったが、徐々に比率を変えてきた。「毎年シャルドネとピノ・ノワールの量を増やし、ムニエを減らしてきた。今も継続しているので、5、6年後にはシャルドネ60%、ピノ・ノワール40%にできれば、と考えている。シャルドネはシャンパーニュにとって必須のフレッシュさだけでなく、長期熟成のポテンシャルも備えている。ブリュットNVはメゾンの全商品に占める割合は通常80%だが、うちでは50%以下でしかない。ブラン・ド・ブランNVとミレジメだけで、という構成も考えないわけではないが、シャルドネの量が間に合わない」。

 

ブラン・ド・ブラン・ミレジメ2008 & 2007

「飲んで美味しい、楽しい、と感じてもらえることがとても重要だ。ちょうど都内レストランでドゥラモットを飲んでいる人に出くわした。グラスで始まり、もう1杯と追加され、やっぱりボトルにする、というお客様を見て大変嬉しかった」

現在まだ市場にある2007年と、新たにリリースされたばかりの2008年を比較試飲しながらブラン・ド・ブラン・ミレジメの特徴を説明した。ミレジメ用のシャルドネは、40年間ずっとコート・デ・ブランのグラン・クリュである4つの村、ル・メニル・シュール・オジェ、オジェ、アヴィーズ、クラマンの畑から供給されている。それぞれの村の特徴は、ル・メニル・シュール・オジェがミネラリティと塩っぽさ、オジェはまろやかさと熱さ、アヴィーズは奥行き、クラマンはすべてのまとめ役で「料理のソースでいえばクリームの役割」をするという。

「2007年は、エレガントでフェミニン、繊細なヴィンテージだった。すぐに美味しいと感じられる良い年で、緻密さもある。複雑で白い花の香りも華やかで、ピュアで雑味のない味わい。10代の少年少女のような若々しさが感じられ、まだこれから30年、40年の熟成も可能だ」。香りがとても綺麗に立ち上り、透明感があり上品で、バックボーンがしっかりしながらしっとりとした余韻の長い味わいだ。

「2008年は光の年であり、シャンパーニュにとって特異な年だった。1988年に少し似ていて、筋肉質で開くのに時間がかかる。2007との違いの90%以上は、ヴィンテージの個性の違いだと言っていい。2008年はシャンパーニュ全体にとって傑出したヴィンテージだったが、特にシャルドネにとってこれまでにないほど素晴らしい年だ。2007と比較するととてもパワフルで、出来上がったばかりのワインを試飲して、『これは怪物だ!』とつい口に出してしまったほど。厚みがあり、力強く男性的なワインだった。50年後、60年後にもまだ飲めると確信している」。

2008年の場合には、ブレンドにおいても特別な年だった。これまでずっと4つの村のシャルドネだけを使用してきたが、この年についてはシュイィとオワリも加わり6つの村をブレンドした。理由は「複雑みと深みのある味わいにしたかったから」。香りはまだ開ききっておらず大変若々しく、フレッシュな白い花と白い果実の香りが徐々に立ち上り、はじめは、よりテンションの高いキリッとした味わいだと感じたが、少し時間をおき温度が上がると、そのなめらかさ、厚さ、粘性がはっきりとして筋肉質な姿が現れた。

ドゥラモットのブラン・ド・ブラン・ミレジメは、この2008年の次は2012年になるようだ。7年間熟成してからの出荷となる。

また、姉妹メゾンの「サロン」の場合には2007年を10月15日から発売予定で、2008年は来年リリース開始を予定している。「特別なヴィンテージだから、マグナムだけ、8,000本だけ販売する。本当に特別な年だから、販売方法も特別」なのだそうだ。日本には何本ぐらい入荷するのだろうか。

最後に、各所から素晴らしい出来だと聞く今年2018年は「今までにない偉大な年で1982年に匹敵する」と締めくくった。

 

<Tiano & Nareno 2014>

ドゥポン氏の15年来の友人、アリエル・サビナ氏のワインも紹介した。サビナ氏はアルゼンチン出身で、癌と免疫学の医者でもある。

2005年からのプロジェクトで、2010年が初ヴィンテージ。良い年だけにしか造らないという、サロンと同じ哲学のもとで運営されている。メンドーサのロハン・デ・クージョにあるワイナリーで、サビナ氏の祖父セヴァスティアーノ・アッコーラとナザレーノ・サビナ、いずれもイタリアから移住したブドウ栽培家からティアノ&ナレノと命名した。船に乗理、1908年に10代後半でアルゼンチンに到着した人たちだ。

「ブドウは平均樹齢85年で、100年以上のものもある。生産本数は平均で3,000〜4,000本のみ(+少々マグナム)と大変少ない。また、普通のアルゼンチンワインとは少し異なるアプローチで、ミッシェル・ロランのスタイルではない。85%マルベック+カベルネ・フラン15%のブレンドで、果実の表現が素晴らしいが抽出しすぎた要素はなく、カベルネ・フランがフレッシュさを与えており、新樽は一切使用していない。1杯飲んで評価するためのワインではなく、1杯飲んだら2杯目が飲みたくなる。肉料理とともに楽しんでほしいワイン」。

フレッシュな赤い果実の香りにほんのりスパイシーさが加わり、とてもなめらかな口当たりで、豊かな果実と緻密なタンニンが印象的だった。

輸入元:ラック・コーポレーション

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