ヴィラ・マリアにみるニュージーランドのシャルドネ 地域による多様性

1961年創業でニュージーランドの老舗のひとつである「ヴィラ・マリア」は、北島のギズボーン、ホークスベイ、オークランド、南島のマルボロにシャルドネの畑を所有している。醸造責任者を務めるサイモン・フェル氏が来日し、地域によるシャルドネの多様性についてレクチャーを行った。ヴィラ・マリアでは、シャルドネを70年代から栽培し、80年代からワインとしてリリースしている。

今年2015年の収穫は「天候に恵まれ、マルボロは特によかったが、量は少なく、とりわけソーヴィニヨン・ブランは少なかった」。ニュージーランドの75%を占めるのがマルボロのソーヴィニヨン・ブランのため、その影響は大きい。ただ、最近ではシャルドネが見直されて、栽培が増えているという。

試飲したヴィンテージは2013年と2014年で、前者は「雨がとても少なく、温かった。特にホークスベイでは少雨の上に夜が涼しく、健全で素晴らしい出来」で、2014年も13年同様に期待され、この年もシャルドネにとってよい年となった。

ニュージーランドのシャルドネを特徴付ける要素は、クローン、土壌、立地と気候だという。使用しているクローンは「メンドーサ、95、96、15、548、6」。土壌は若いが多様性があり、粘土、石灰岩、河岸段丘土壌、沖積粘土とシルトローム、あるいは川底の砂利など様々だ。そして「ニュージーランドは海に囲まれているため、涼しい風が吹きその影響が大きいため、フレッシュで雑味のない味わいと酸につながる」と、冷涼な海洋性気候であることを強調した。

試飲したワインは、いずれも総酸度で6.0g/lあるが、補酸はしていないという。ただし、キャノピーマネージメントや複数回にわたる収穫など、酸を保つ工夫はしている。

醸造所はオークランドとマルボロにあり、マルボロ以外はオークランドで醸造している。2017年には、ホークスベイにもワイナリーが完成する予定だ。発酵はすべて区画やクローンごとに行っている。

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