ヴィラ・マリアにみるニュージーランドのシャルドネ 地域による多様性

醸造責任者のサイモン・フェル氏

醸造責任者のサイモン・フェル氏

畑を所有する4地域のシャルドネについては、以下のように説明した。

マルボロ:南島で涼しいため、酸味が際立ちミネラル感もあり、白桃やグレープフルーツなどの柑橘類を感じる風味豊かな白になる。

ホークスベイ:多様な土壌とメソ・クライメットから、桃などのストーンフルーツ、グレープフルーツの香りがし、酸もあり、エレガントで凝縮感もあるワインになる。

ギズボーン:一番温暖な気候にあり、シャルドネ栽培が最も盛ん。柔らかく、豊かで熟した桃、メロン、パイナップルが香り、テクスチャーが豊かでボディのあるワインになる。

オークランド:海に近く温暖な気候のため、熟した洋梨、桃などの果実、白い花の香りで、ソフトな味わいのワインになる。

また「ニュージーランドの白はほとんどが若いうちに飲まれるが、最高のシャルドネは8年でも10年でも熟成可能で、ナッツやブリオッシュ、トースト、ハチミツ、マジパン、トフィーなどの香りが出てくる」という。

試飲したワインはいずれも上級キュヴェで、各500ケースほどの生産で、全体の8%ほど。

Single Vineyard Keltern 2014

ホークスベイの畑。内陸の涼しい気候。川床だった場所で土壌は多様。ホールバンチプレスで、自然酵母で発酵。樽熟成は43%新樽。華やかな香りでバニラや熟したグレープフルーツ、桃を感じる。粘性もあるがキリッとした酸もあり、なめらかで清楚な印象。

Reserve Marlborough Chardonnay2013

マルボロの複数の畑。大きな丸石が多い場所もある。自然+培養酵母。柑橘類などの、より涼しげでタイトな香り。果実味はまろやかでオイリーさも感じるが、酸もしっかり。

Reserve Hawkes Bay Chardonnay2013

ホークスベイの3〜4か所の畑。川底だった場所で多様性ある土壌。自然酵母は40%。「自然酵母だけでも複雑にはなるが、この地独特の果実の個性をしっかり出すには、培養酵母が有効」。バニラ、ナッツ、桃のネクターなどストーンフルーツが主体。とてもなめらかなアタックで、全体的にマルボロよりソフト。

Reserve Barrique Fermented Gisborne Chardonnay 2013

カトア畑は平坦で粘土混じりでボディが暑くなるので、それに合わせて樽も少し多めに。マクダーミッドヒル畑はより涼しい。80〜90年代からシャルドネが多く植樹されてきた場所。パイナップル、メロン、トロピカル系の果実の丸みのある香り。バニラも多すぎず心地よいバランス。華やかな開いた香りでとてもまろやか。食感もなめらかなでリッチ。(Y. Nagoshi)

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