ラインヘッセンの変革を担う若手の注目株の一人『ドライシガッカー』

かつてリープフラウミルヒやドイッチャーターフェルヴァインの原料供給基地、ワイン大量生産地帯として見られていたラインヘッセンが、この10 年~ 15 年の間にすっかり様変わりしている。その変化、進化をリードしてきたのは若い世代の造り手達であり、クラウス= ピーター・ケラーやフィリップ・ビットマン、ハンス= オリバー・スパニエルと並んで、ヴァイングート・ドライシガッカーの現当主ヨッヘンも今もっとも注目を集める造り手の一人だ。そのヨッヘン・ドライシガッカー氏が、輸出会社WINECONSAL GMBA を経営するヨアヒム・ビンツ氏とともに来日し、輸入元ワインキュレーション主催のセミナー試飲会に出席した。

ドイツワイン輸出協会の副会長も務めるビンツ氏は、ドイツおよびラインヘッセンにおける21 世紀に入って以降のワイン造りの変化に触れ、要旨次のように語った。

「1896 年におけるBB&R のプライスリストでは、ラフィット1878 の140 ポンドに対してスタインベルガーのカビネット1886 が150 ポンドと、ボルドー1 級より高かった。また、ドイツのイメージがとても悪かった1949 年当時のアメリカにおいても、シャムロックのプライスリストでは、ラフィット1943 の7 ドル、マルゴー1937 の4.5ドルに対して、シュロス・フォルラーツ・カビネット1945 が13 ドル、ブルーナン1945 ですら6.5 ドルの値をつけていた。しかし、戦後30 ~ 40 年、(ズースレゼルブを添加した)甘口ワインの人気が続き、ドイツワインは安い甘口ワインというイメージが世界的に定着してしまった」

「ドイツ全体の葡萄作付面積はおよそ10 万ha。最新2011 年の統計では、これは世界で11 番目、このところ伸長著しい中国とくらべても5 分の1に過ぎない。品種別作付面積を見ると、白64%に対して赤36%。ドイツワインは白ワインの国と見られがちだが、この10年で赤が10 ポイント近く上昇し、今や4 割に迫ろうとしている。さらに、赤ワインで一番多いのはシュペート・ブルグンダー(ピノ・ノワール)で、この品種の作付面積ではフランス、米国に次いで多い。一方、白葡萄では作付面積の多い順にリースリング、ミュラー・トゥルガウ、ピノ・グリ、シルヴァナー、ピノ・ブランとなるが、ここ数年伸びているのはリースリングとピノ・グリ、ピノ・ブランだ。つまり、ドイツワインはリースリングとブルグンダー(ピノ)系品種とほぼイコールの関係にあるといえる」

「輸出については、過去10 年で日本向け出荷は70 ~ 80%減少、2013/14 年も17.8%減った。しかしこうした傾向は国別順位で8位にある日本だけの現象ではない。全世界的に見ても、過去10 年で約40%減少している。一方、取扱いを高品質の辛口ワインに特化しているWineconsal の売上は同じ10 年間で300%近く伸びた。また、2014 年の輸出単価においてはドイツワイン全体の平均が2.68 ユーロにとどまっているのに対し、我が社の平均は6.88ユーロで伸び率も高い。つまり、これは何を意味しているかといえば、ドイツワインに対する世界的な需要が甘口から高品質な辛口にシフトしているということだ。こうした状況下では、ヨハネスベルクやドーンホフ、エゴン・ミュラーなど昔ながらの著名生産者だけでは現在の需要に応えきれないことは明らかだ」

画像:ヨッヘン・ドライシガッカー氏と、輸出会社WINECONSAL GMBA を経営するヨアヒム・ビンツ氏

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