シャンパーニュ・マイィ・グラン・クリュ 新シリーズ コンポジション・パルスレル

シャンパーニュ用の葡萄はマルヌ県、オーブ県、エーヌ県など5県の319か村で生産されている。そのうち最上位のグランクリュに格付けされている村は17か村で全体の5%に過ぎない。このため、大手ネゴシアンは限られたグランクリュの葡萄を少しでも多く入手しようと毎年あらゆる手立てを尽くして奮闘している。しかしほとんどの畑は長期売買契約がなされていて獲得できる葡萄は僅かだ。だから、ネゴシアンが入手したグランクリュの葡萄のほとんどは高級キュヴェに回され一般のブリュット・ノンミレジメにはほとんど使われていないといってよい。

このような中、ブリュット・ノンミレジメからキュヴェ・プレステージまで全てのボトルを100%グランクリュの葡萄で造っている『シャンパーニュ マイィ グラン・クリュ』は希有な生産家として注目されている。

1929年に経済不況の中でネゴシアンが葡萄の買い上げを拒否したため、マイィ・シャンパーニュ村の栽培家が苦肉の策として設立したのが『シャンパーニュ マイィ グラン・クリュ』だ。村の人口は当時の半分近くに減ったが、今も創設者の跡を継ぐ2代目、3代目を中心に80名の会員が約80haのマイィ・シャンパーニュ村の葡萄園を耕している。

最近、『シャンパーニュ マイィ グラン・クリュ』の名声をさらに高めているのが新しい生産コンセプト、「コンポジション・パルスレル」に基づくキュヴェだ。

35のリューディに分かれたマイィ グラン・クリュの畑は向き土壌が異なり、この数十年来、丁寧な葡萄栽培の経験の中で出来上がるワインの個性が畑毎に極めて異なることが分かってきた。2013年に新しくシェフ・ド・カーヴに招かれたセバスチャン・モンキュイ氏はこれに注目し、35のリューディをそれぞれ別々に醸造、熟成し、多様な音階を持つキュヴェでポリフォニーを奏でる手法に取り組んできた。

今回発表した新作「コンポジション・パルスレル」シリーズの「ブラン・ド・ピノノワール」、「ロゼ・ド・マイィ」、「エクストラ・ブリュット・ミレジメ」はこれまで積み上げてきた経験を集大成して作り上げた自信作。(Toshio Matsuura)

 

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