130ヘクタールもの自社畑を所有するフェヴレ 2016年リリース開始

<7代目当主 エルワン・フェヴレ>

 

ニュイ・サン・ジョルジュに本拠を構えるブルゴーニュの大メゾン、「フェヴレ」が2016年ヴィンテージを出荷開始した。

業態的にはネゴシアンのフェヴレだが、実際には130ヘクタールもの自社畑を所有する大ドメーヌ。全生産量の8割を自社畑産のワインが占め、これらドメーヌもののアイテムには「Domaine Faiveley(ドメーヌ・フェヴレ)」、買いブドウが含まれるアイテムには「Joseph Faiveley(ジョゼフ・フェヴレ)」とラベルに記されている。たとえ後者であっても熟成と瓶詰めのみとせず、醸造も自ら行うのがポリシーだ。

さて、霜と雹のダブルパンチで量の少ない年となった2016年。コート・ド・ニュイではエシェゾーとシャンボール・ミュジニーで被害が大きく、全体としては例年の4割減。蔵出し価格は12パーセント引き上げられた。しかし、品質的には秀逸年とされる15年並みに高く、凝縮感があり、バランスもとれ、長期熟成のポテンシャルも高い。15年は熱を感じさせるヴィンテージで、アペラシオンによっては強いタンニンを感じさせるが、16年はキメの細かなタンニンが果実味の中に溶け込み、アタックではそれと気づかない。一般に力強いとされるアペラシオンでも現時点で飲めてしまう。

 

大規模な改装を終えた醸造施設には40基近いオープントップの木製発酵槽が立ち並ぶ

 

18年の収穫期には、33年ぶりの大改装が完了。グラン・クリュとプルミエ・クリュの赤ワインは、すべて円錐台型の木製発酵槽で醸造されるようになった。発酵槽の中には冷水や温水を流すパイプが仕込まれており、温度調整が可能となっている。

巨大な地下セラーには、オリ引き用のガス送付システムが張り巡らされている

また、この年から不活性の圧縮ガスを用いた澱引きをし始めた。これは各樽を密閉した状態で2本のパイプを通し、1本からガスをゆっくりと注入。樽の中に溜まるガスがワインの液面を押し下げ、もう1本のパイプからワインが出てくる仕組み。パイプには透明な部分があり、下から光を当てることによってワインの濁り具合がわかる。澱が混ざってきたらそこでバルブを閉じ、澱引き完了。鏡面の穴から抜くよりも容易で、ポンプを使う方法よりワインへの負荷は少ない。

 

オリ引きをしている様子

以下は16年ヴィンテージのニュイ・サン・ジョルジュとジュヴレ・シャンベルタンの代表的クリマ。このふたつの村において、フェヴレは最大の地主となっている。

 

 

 

 

Nuits-Saint-Georges 1er Cru Les Damodes 2016 Domaine Faiverey

ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ・レ・ダモード 2016

ドメーヌ・フェヴレ

ヴォーヌ・ロマネと接する標高の高いクリマ。ブラックチェリーの集中力あるアロマ。果実味高く、きれいな酸味がバランスをとる。緻密で繊細なタンニン。ミネラル感を伴う、高いテンションが印象的。

Nuits-Saint-Georges 1er Cru Aux Chaignots 2016 Domaine Faiverey

ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・シェニョ2016

ドメーヌ・フェヴレ

ヴォーヌ・ロマネ側の丘に位置するクリマ。深みのあるルビー色。濃密なブラックチェリーのアロマ。果実味豊富でビロードのようなテクスチャー。ダモードと比べると酸味は抑えめで柔らかな味わい。

Nuits-Saint-Georges 1er Cru les Pruliers 2016 Joseph Faiverey

ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ・レ・プリュリエ2016

ジョゼフ・フェヴレ

プレモー側に位置するクリマ。ブラックチェリーやカシスなど黒い果実のアロマが大きく膨らむ。タンニンのきめは細やかだが、存在感は大きく、骨格はしっかり。堅牢な構造をもち力強い。スパイシーな余韻。

Nuits-Saint-Georges 1er Cru Porêt-Saint-Georges 2016 Domaine Faiverey

ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ・ポレ・サン・ジョルジュ2016

ドメーヌ・フェヴレ

プレモー側のクリマだがレ・サン・ジョルジュとは性格が異なり、ラズベリーやグリオットチェリーなどむしろ赤い果実が感じられる。しなやかでビロードのようなテクスチャーをもち、エレガントな味わい。すでに開き、心地よく飲めてしまう。

Gevrey-Chambertin Vieilles Vignes 2016 Domaine Faiverey

ジュヴレ・シャンベルタン・ヴィエイユ・ヴィーニュ2016

ドメーヌ・フェヴレ

1945年~69年に植樹された古木から成る。デュポン・ティスラン買収後の13年からドメーヌもの。凝縮感があり、黒系果実の集中度が高い。甘草を思わせるフレーバー。果実味の背後に見え隠れする、緻密で豊富なタンニン。密度の高いワイン。

Gevrey-Chambertin 1er Cru Clos des Issarts Monopole 2016 Domaine Faiverey

ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・クロ・デ・ジサール2016

ドメーヌ・フェヴレ

グラン・クリュのリュショット・シャンベルタンに隣接するクリマであり、フェヴレのモノポール。カシスやブラックチェリーなど濃密な果実が、ミネラルの風味によりリフトアップされる。存在感のあるタンニンだが繊細さを備え、ジュヴレにしてはエレガントな趣き。

Gevrey-Chambertin 1er Cru Les Cazetiers 2016 Domaine Faiverey

ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・レ・カズティエ2016

ドメーヌ・フェヴレ

コンブ・ラヴォーの北側に位置する秀逸なクリマ。深みのある紫がかったルビー色。集中度が高く、凝縮感があり、緻密で力強い。カシスやブラックチェリーなど黒い果実の濃密なアロマに甘草のスパイシーさ。塩味を思わせる石灰質のミネラル感。余韻は極めて長い。偉大なワイン。

 

2005年に25歳の若さでエルワン・フェヴレが7代目当主に就任。テクニカルディレクターとして招き入れたジェローム・フルースと二人三脚で改革を断行し、父フランソワ時代の若いうちは固く、熟成を待たねば飲みづらいワインから、果実味が前面に打ち出され、若いうちから心地よく楽しめるワインへと変化した。この16年はそのような新世代のスタイルが、より明確に出たヴィンテージと言えると思う。

そうしたメゾンの個性を背景として、ワインにはクリマごと、テロワールの特徴が忠実に表現されている。まさにブルゴーニュのお手本と言って過言ではない。  (Tadayuki Yanagi)

輸入元:ラック・コーポレーション

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