フランチャコルタ初の オーガニック認証を取得した バローネ・ピッツィーニ

バローネ・ピッツィーニのスタンダードなキュヴェの名は「アニマンテ」。それは英語のアニメイトのことで「生命を吹き込む、生き生きしている、という意味だ」と副社長を務めるシルヴァーノ・ブレシャニーニが説明した。フランチャコルタ協会の会長と技術顧問も任されている人物だ。

バローネ・ピッツィーニは、ロヴェレート出身の貴族ジュリオ・ピッツィーニ・ピオマルタ・フォン・ツルベルグ男爵により1870年に創立した。フランチャコルタでも長い歴史のあるワイナリーだ。この館には、モーツァルトが宿泊したことがあるのだという。その後何世代かが継承したが、男爵が高齢となり1991年に数名の実業家が資本参加して新生バローネ・ピッツィーニが誕生した。ブレシャニーニ氏は1992年から参画している。

1998年に食品の安全についてのセミナーに出席したことがきっかけとなり、有機栽培の実験を始めることにした。そして2001年にフランチャコルタで初めての有機認証を得ることになった。「有機栽培により、畑に多くの生命が宿る」という。2014年からはミラノ大学のプロジェクトの一員として、土壌の有機物や微生物の数量が、ぶどうやワインの味わいにどれだけ影響するか実証するために協力している。だから「アニマンテ」という名前には「生命が宿る土壌から生まれるワイン」という思いが込められている。また、2015年は降雨量が少なくて緊急事態のため灌漑が許された年だが、バローネ・ピッツィーニの場合には20年前から有機栽培を行っているため、特に必要なかったという。

ワイナリーは、イゼオ湖の南に広がるフランチャコルタのおよそ中央に位置している。26の畑は合計で50haあり、標高200〜350mで、平均樹齢は15年ほど。栽培面積はシャルドネ80%、ピノ・ネーロ15%で、ピノ・ビアンコは「アニマンテ」だけに使っている。理由は、ピノ・ビアンコは果皮が薄いため有機栽培にはあまり向かないからだという。ブレシャニーニ氏は見るからに実直な人で、ワインにも同様のニュアンスを感じた。 (Y. Nagoshi)

 

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