税制改正への対応、ロット番号問題に引き続き取り組む 日本洋酒輸入協会の松沢理事長

日本洋酒輸入協会の松沢幸一理事長は1月9日に開催された新年賀詞交歓会における挨拶において、今年の洋酒輸入業界の市場見通しと課題について触れ、要旨次のように語った。

「昨年、世界では米中の覇権争い、貿易摩擦の先鋭化など、不安定要素が大きく膨らんだ。国内の経済も第3四半期以降は減速に転じ、好景気にも陰りが出てきた。今年は不安定・不確実な年となるだろう。

国内の酒類需要は全般的には人口減少と少子高齢化、ライフスタイルの変化、嗜好の多様化などにより漸減傾向にあるが、輸入酒類に関しては種類間で動向に違いがみられる。1~11月の輸入通関統計(速報値)によれば、スパークリングが堅調な伸びとなり、特に高価格品の伸びが大きい。スティルワインは数量、金額ともに2年ぶりに対前年比マイナスとなることが懸念される。ウイスキーは国産原酒の不足を反映し、数量・金額ともに極めて高い伸びを示している。国産原酒は増産に取り組んでいるとの報道もあるが、需要を満たすようになるには時間もかかるので、輸入ウイスキーの好調はしばらく続くと思われる。

今年は2月に日・EU 間EPAが発効し、関税の即時撤廃がEU産ワインの需要喚起に結びつく可能性があるものと期待される。一方、国内の税制改正関係については、本年10月に予定される消費増税が消費の減退や買い控えを招かぬように各種の対策が検討されており、当協会としても注視していきたい。また、来年10月には第一段階のワインの酒税増税が予定されている。ワインの税率見直しについては景気条項が設けられており、ワイン輸入数量の激減を招くことがないよう関係方面への広報活動や、消費者を含めて社会から支持されるような啓発活動を引き続き展開する。

ロット番号が削除等された酒類の流通問題については、昨年6月、法的規制導入についての要望書提出以降も国税庁と意見交換などを行ってきた。消費者保護の観点や輸入酒類の品質保証・保持の観点などを前面に出しながら、本年も引き続き大きな課題として取り組んでいく」。

 

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