日本ワインに定められた新表示基準 その影響と課題を検証する 福田克宏

■はじめに

2018年10月30日、日本ワインに新しい品質製法表示基準がスタートした。

この表示基準は、国が定める初めてのワインにおけるラベル表示のルールとなる。(全文は10ページ)海外の多くのワイン生産国においては、公的な(あるいは法的な)ワインの表示に関するルールが定められている一方で、日本では業界内自主基準は存在していたものの、公的なルールが存在していなかった。そのため、国産ブドウのみを原料とした「日本ワイン」と、輸入された濃縮果汁や輸入ワインを原料としたワインの違いが、ラベル表示だけでは分かりにくいという問題が長らく存在し、指摘されてきた。

 

近年、見事な品質の日本ワインも登場して日本ワインへの関心と存在感が高まるなかで、誤認なく商品選択が行えるよう、また世界基準に準じることによる輸出への整備も目的とされている。「ワイン法」ではないものの、日本ワインの定義がしっかりと示された大きな一歩となった。

 

■要点について

新基準の要点としては3点。まず、国内に流通するワインが3つに分類された。これにより、従来は「国産ワイン」と表記することが可能だった、濃縮果汁を含む輸入原料を使用したワインと、日本国内で収穫されたブドウのみを原料とするワインが、明確に区別されて表示されることとなる。

①国内製造ワイン

日本国内で製造されたワイン。海外原料使用の際には、表ラベルに「濃縮果汁使用」「輸入ワイン使用」等の表示を義務化。地名や品種等は表示できない。

②日本ワイン

国内製造ワインのうち、国内で収穫されたぶどうのみを原料とするもの。地名や品種等を表示できる。

③輸入ワイン

 

2点目は、産地名の表示条件について定めるということである。ブドウの収穫地(畑)と醸造地(ワイナリー)が同一地名内になければ産地名を表示することができない。同一地名にない場合は、収穫地のみ「●●収穫」あるいは醸造地のみ「▲▲醸造」と記載することになる。

①産地の表示が可能

地名が示す範囲内にブドウの収穫地(かつ、その収穫地からのブドウを85%以上使用)と醸造地があること

②収穫地のみ表示が可能

地名が示す範囲内にブドウの収穫地(かつ、その収穫地からのブドウを85%以上使用)があること

③醸造地のみ表示が可能

地名が示す範囲内に醸造地(ワイナリー)があること

 

3点目は、品種の表示と収穫年の表示についてである。海外の有力生産国で採用されている85%ラインが採用された。

①収穫年 表示された収穫年のブドウを85%以上使用されていること

②品種 表示されたブドウ品種を85%以上使用していること(2品種表示の場合は、2品種の使用割合の合計が85%以上となること。複数品種使用の場合は、使用割合の合計が85%になるまで表示すること)

 

スタートに際して、影響と課題も浮かび上がってきている。まず下記に、告示までの経緯を整理した。次に有識者やワイナリー関係者にインタビューを実施。あわせて日本全国のワイナリー(200社超)へメールでアンケートを行い、匿名とすることを前提条件に3つの質問に対して回答を依頼した。回答分の掲載については極力、原文のままとした。

 

つづきはWANDS 2019年3月号をご覧ください。
3月号は「日本ワイン、日本の酒類消費、ピエモンテワイン」特集です。
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