“The Farm Voice” NZセントラルオタゴ「リッポン」のニック・ミルズがバイオダイナミクスを語る

rippon試飲したワイン

2013 Mature Vine Pinot Noir

樹齢の高い葡萄だけを選んで造ったキュヴェ。香りはまだ閉じているが、冷涼感と共に凝縮感がある。ジャムではない凝縮したラズベリーにほんのりとスパイスやなめし革など、ハリのある香り。果実味がなめらかで、酸もハツラツとして、緊張感のある味わい。

「カンプタル(オーストリア)、コート・ロティ、プリオラートなど、片岩土壌は世界にいくつもあるが、土地をよく表現しているワインの場合には、凝縮感があるが繊細さも感じられることが多い。うちの気候条件の場合、フェノールは、フィネスと共に穏やかに感じられる」。

2013Mature Vine Riesling

熟したリンゴ、桃、花などのフレッシュで高い香りで、オイリーさも感じられる。なめらかな食感で、厚みもある。残糖もあるが酸もしっかりし、後味にきれいな酸が残る。

「手摘みの後、足で踏み、2日間スキンコンタクトを行う。発酵タンクは横長で、澱との接触部分を増やし、温度調整はせず、3-4か月置いておく。自然まかせのため温度が高くなることもあり、表面的な香りは少し減る場合があるが、その他の要素が味わいを複雑にしてくれる。様々な成分が分解され、旨みに近い味わいになる。それによって、口中で感じられるものが増える。酸化を恐れず、フェノール成分をたくさん取り込んだほうが、よりよいワインができると考えている。ドライマター=果皮、種が重要だ」。

 

最後に

次第に熱が入ってきたニック・ミルズの講演は、最後にこのような言葉で締めくくられた。

「香り豊かできれいなワインを造るのが、モダンで、ニュージーランドはアロマティックなワインを造るのがとても得意だ。イリゲーション、化学肥料 多収量、未熟果、低温醗酵、特定の酵母、酵素、スクリューキャップ。方法はたくさんある。まるで香水のようだ。ただ、アロマティックな要素は、とても早くなくなってしまう。常に変わりゆく。しかし反対に、フェノール系の成分はとても安定していて普遍的だ。スムーズさや口当たりなど、感覚的なものだが」。

「もちろん、消費者が求めているのだから、アロマティックなワインは造り続けられる。ただ、この土地のワインを伝え続けていく、ということにはならないと。農夫が、本来果実がもつ高貴なフェノールを、果皮や種を通してワインとして伝えられる農作業をするということは、とても多くの苦労が必要なのだ。飲み手にも、ここに気がついてほしい。飲んだ時のフィーリング、心を動かすのは、フェノールからくるものである。華やかな香りより、味わいのテクスチャー、質感が、より重要だと考えている」。

(Y. Nagoshi)

輸入元:ラック・コーポレーション

 

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