ミッシェル・ロランら7名によるアルゼンチン、ウコ・ヴァレーの「クロス・デ・ロス・シエテ」

ミッシェル・ロランが惚れ込んで、ボルドーの仲間とともにアルゼンチンで始めたプロジェクト「クロス・デ・ロス・シエテ」は、2002年が初ヴィンテージだ。近年の2009から2012年の試飲をしながら、総支配人のラミロ・バリオスが現状を解説した。

 

<プロジェクト開始>

醸造コンサルタントのミッシェル・ロランが、妻のステファニーと共にブエノスアイレスに招かれたのは1988年の夏だったという。それから10年間、アルゼンチンでコンサルタントをしている間に、二人はその潜在能力に惚れ込んでしまった。「アルゼンチンはポテンシャルがあるのに、ワイン造りを深く知る人物がいなかった、と話していた」と、総支配人のラミロ・バリオスはいう。

1998年から、彼らのプロジェクトは始動した。地元ボルドーの仲間と共に850haの畑を開墾し、選りすぐった葡萄からひとつのブランドを創り出すことにしたのだ。それが「クロス・デ・ロス・シエテ」。もちろん、ミッシェル・ロランの監修のもとで造られている。

「シエテ」とは、創業時のメンバーが7名いたことから、数字の7をブランド名にあてた。ミッシェル・ロラン。ステファニー・ロラン。ポムロールのシャトー・ル・ゲのオーナー、カトリーヌ・ヴェルジェ。シャトー・クラークのオーナー、ベンジャマン・ド・ロッチルド。サンテミリオンのシャトー・ダッソーのオーナー、ローラン・ダッソー。サン・ジュリアンのシャトー・レオヴィル・ポフワフェレのオーナー、ベルトラン&ジャン・ガイ・キュヴリエ。グラーヴのシャトー・マラルティック・ラグラヴィエールのオーナー、アルフレッド・アレクサンドル・ボニー。名立たるメンバーが集合した。

<ウコ・ヴァレーのビスタ・フローレス>

メンドーサから南約100kmにある、ウコ・ヴァレーのビスタ・フローレスは、アンデスの麓にあり標高1,100mで、大きな石が転がる砂質や粘土質の土壌だ。大陸性気候にありとても乾燥していて、雨はわずか200mmしか降らない。そこで、地下水面に達するまで200mも掘り、足りない600mm分を灌漑できる設備をつくった。

標高が高い分、紫外線が多いため、葡萄の果皮は厚くなり、夜間の温度が急激に下がることも加って、香りが華やかでポリフェノールが充実し、酸も豊かな葡萄が収穫できる。

東向き斜面に南北の畝で、5,500株/haという植樹は、アルゼンチンではかなりの密植なのだという。ダブル・ギュイヨ仕立てで、ボルドー品種を主体に植えた。基本となるブレンド比率は、マルベック57%、メルロ15%、カベルネ・ソーヴィニヨン15%、シラー10%、プティ・ヴェルド3%という構成となる。

なぜシラーがボルドー品種と共に栽培されているのか尋ねると「ウコ・ヴァレーは、年間330日晴れるが決して暑い産地ではない。その涼しさにより、シラーのスパイシーさをワインに加えたいと考えたからだ」という。

また、ここでは「ゾンダ」と呼ばれる西風が強く吹くことがある。アンデス山脈を越えて吹き下りてきて、ともすると30から35度もの暑く乾燥した風で、通常は真冬の8月頃に吹く。ところが、開花や結実の後の1月から4月の間に吹くと、花や実に悪影響を与え収穫量が極少量になってしまうこともある。

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