
首都圏を中心とした総合酒類卸・業務用販売の榎本酒類は、清酒を温かい出汁で割って楽しむ「出汁(だし)割り」提案を同業の5社と協力して展開する。記者発表会を10月1日に東京・港区の虎ノ門ヒルズで行い、榎本泰幸常務は「若い層をはじめこれまであまり日本酒を飲んでこなかった人との接点を作ることで、新たな需要の開拓を目指す」と話した。
「出汁割り」はもともと都内の老舗おでん屋で、おでんのつゆや鰹節・昆布などの出汁を清酒に加えて提供したのが始まりとされる飲み方。清酒の甘みや苦味に出汁の塩味が加わることで奥深い味が楽しめるとされる。
同プロジェクトでは和食の出汁だけでなく、中華の鶏がらスープや洋食店のコンソメやブイヨン、ラーメン店のスープなど様々な料理のだし汁やスープと組み合わせた提案を行う。
飲食店が普段から料理に使っている“店の出汁”を活かすことで、業態や店舗ごとに異なる一杯をつくることができる。このため、和食店や居酒屋にとどまらない日本酒の新たな飲用シーンが提案できる。
出汁割り推奨PB清酒として、菊正宗酒造と共同開発した「菊佳盃(きっかはい)」を推奨。国産米100%原料とした上撰、生酛造りの本醸造。米のタンパク質由来のアミノ酸、その中でもグルタミン酸が豊富で、鰹節のイノシン酸、干しシイタケのグアニル酸など出汁として使われる旨味成分と抜群の相乗効果をもたらす。
基本レシピは出汁120㎖と日本酒30㎖(黄金比出汁4:清酒1)でAbvは2.8-3.0%。低アルコール感覚で試しやすく、店の個性を“飲めるメニュー”として提供できる。
先行で導入した居酒屋「角打ちKAN」(虎ノ門、35席)では1-8月までの展開期間中で、提供酒類約3万2,000杯のうち出汁割りは3.9%にあたる1,245杯を提供。7割は女性からの注文で、清酒熱燗を大きく上回った。現場からは、「これまで日本酒を飲まなかったお客様にも好評だった」「日本酒そのものではなく、出汁を楽しむ温かい一杯として受け入れられている」などの声が聞かれ、確かな手ごたえを感じているようだ。
11月下旬から全国展開を始め、来年2月までに1,000店導入、3,000本の販売を目指す。
当日は、虎ノ門ヒルズ内で営業する居酒屋「虎ノ門 おお島」が鯛だしを使ったおでんベース、ビストロ「Ata caved‘occi」がブイヤベースを使った魚介ベース、中華「雅宝ARBOL seiro」が鶏と香味野菜を使った白湯ベース、居酒屋「角打ちKAN」がおでんだしにカレー粉などをちょい足しした変わり種の出汁割りを提供し、バリエーションの広さと様々な料理との相性の良さを印象付けた。















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