<日本のワイン市場を読む> 2017年需要予測&ワインの原産国別動向

ワインの売行きは2016 年暮れに回復基調に乗ったと言われた。明けて1 月も順調だった。ところが「トランプ氏の大統領就任を境にバッタリ売れなくなった」という。2 月は業務用だけでなくワイン市場全体が悪くなり、3 月になってもワイン市場はどんよりした空気に覆われている。

 

ネット販売の隆盛で宅配便の運転手が休みを取れないまま働いている。これを正常化するには運賃を上げるしかない。もっともな理由で今年は宅配便の運賃が上がる。これもワイン販売のコストアップ要因だ。

 

3 月に入って、ヨーロッパ航路の貨物船の入港が大幅に遅れ、多くのインポーターが困惑している。通常の入港スケジュールより3 週間以上の遅れが常態化して、たとえば3 月の予約が5 月にならないと消化できないという。これには複合的な原因があるようでその解決にはまだ時間がかかる。この混乱はしばらく続く可能性がある。

 

「ワインの魅力が他の酒に比べて薄まっていることが消費減につながっている」とワイン販売減少の理由を分析する人がいる。たとえばコンビニで低アルRTD を買う若者が、いずれはワインを飲みたいと思っているだろうか。

 

このところ良く売れているクラフトビールは種類の豊富さ、味わいの多様性でワインによく似ている。超炭酸ハイボールもなかなかおいしい。クラフトビールも超炭酸ハイボールもスパークリングワインの強力なライバルになっている。こうした競合酒類に負けないように、もっとワインの魅力を語るべきだ。

 

ワイン消費の入口をもっと広げることに力を注がねばならない。ワインのライト・ミドルユーザーを増やすことが必要だ。ライト・ミドルユーザーのワインに対するハードルはなんだろう。これまで、開けるのが面倒なコルク栓の代わりにスクリューキャップを、フルボトルでは多すぎるという声に対応して小容量ワインを造って、少しずつハードルをクリアしてきた。残る課題は何か。そのひとつはラベルを見てもワインの味が分からないことだろう。

(以下、略)

 

チリ、フランス、イタリア、スペイン、米国、オーストラリア、ドイツ、アルゼンチン、南アフリカ、ニュージーランド、ポルトガルのワイン販売動向は、2017年WANDS 4月号をご覧ください。

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