ボルドーで磨かれた技術を使い ラ・クラープのテロワールを映す シャトー・リヴィエール・ル・オー

かつてシャトー・ラフィット・ロートシルトで醸造長を務めていたエリック・ファーブル氏が、2000 年代からラングドックに舞台を移し、土地の個性を反映したエレガントなワイン造りを行っている。

シャトー・リヴィエール・ル・オー(Château Rivière le Haut)は、現在36のAOC があるラングドックの中で2015年に最上位のCru 格付けに認定されたラ・クラープ(LaClape)に45haの畑を所有している。ナルボンヌの町にほど近いこの地はかつて独立した島だったが、12 世紀に大陸と繋がった。特徴的な急峻な崖をもつペッシュ・ルドンの丘を形成している石灰岩が丘の麓まで広がり、その割れ目にあたる渓谷沿いにブドウ畑やガリーグが広がっている。ブドウ栽培は2000年以上昔のローマ時代から行われてきた。

「畑は海沿いに拓かれているが、このことがブドウ栽培において3つの重要な要素をもたらしている。ひとつは春がとても温暖でブドウの芽吹きが早く始まり、長い期間をかけて成熟する。白ではブールブラン、赤ではムールヴェードルにとって最適だ。二つ目の要素は、夏が暑すぎないこと。地中海は通常暑くて乾燥しているが、ラ・クラープでは強く吹き抜ける海風が夏の暑さを和らげてくれる。そしてさらに、夏でも夜露が降りて湿気を与え、ブドウが呼吸しやすい環境にある」と、ファーブル氏。

エリック・ファーブル夫妻

ファーブル家はボルドーの地で5世代にわたりワイン造りを行ってきた。ラフィット・ロートシルトで8年間にわたり醸造長を務めたエリックは、その後も2000年までCGR傘下の複数のボルドー・シャトーのジェネラル・ディレクターを続けていたが、2002年に南フランスに移住し、シャトー・リヴィエール・ル・オーを興した。

「ムールヴェードルを使ったワインをつくりたかった」というのが、その理由だ。

「友人がバンドールでワイン造りをしていて、彼の造るムールヴェードルに魅せられた。いつか自分でもこの品種を使いワインを造ってみたいと思っていたが、そうした私と妻の夢が実現するまでに15年もかかってしまった。スペイン原産のムールヴェードルはフランス北部では栽培が難しく、一番よく適した地で栽培することが重要だ。私のもうひとつの夢は誰でも手にしやすいワインをつくることで、ムールヴェードルを基調にしつつアッサンブラージュによってそれを実現している」。

晩熟型でタンニンが強いムールヴェードルでありながら滑らかでふくよかな味わいのワインに仕上げるには、海岸沿いのフレッシュな空気の下でブドウが熟し過ぎないようにすることと、ゆっくりと優しく発酵が進むように心がけることが大切だ。そのため、ボルドーで培われたノウハウを使い、タンニンを安定化させるために5~7週間もかけて発酵後醸しを行っているという。

 

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