ブルゴーニュで再評価が始まった21世紀の白ワイン品種、アリゴテの魅力を探る

アリゴテはフィロクセラ禍までブルゴーニュの主要な白品種だったが、育てやすく質が安定しているシャルドネへの植え替えが進み、その後一部残った古木のアリゴテも改植期を迎えるたびに消滅して減少傾向が続いてきた。しかし、最近、アリゴテの個性と可能性に注目し、再度価値づける動きが出て来た。アリゴテに焦点を当て、情熱を持ってアリゴテを育てている栽培家を訪ねた。

 

最近の統計によるとブルゴーニュのアリゴテの栽培面積はブルゴーニュの葡萄園の6%、約1600ha、平均生産量は10万hl(約1300万本)。遺伝子的にみると中世に栽培され既に消滅した白品種グエ・ブランとピノノワールの交雑種で、ブルゴーニュに導入されたのは17世紀頃と言われる。

かつてはコルトン・シャルルマーニュやモンラッシェの畑にも植えられていたが、世界的なシャルドネ人気の陰に隠れてアリゴテが話題になることは戦後ほとんどなかった。しかし、1998年にアリゴテを使った白ワイン、AOCブズロンが認可されたのを機に徐々に注目されるようになってきた。シャルドネ以外の品種によるブルゴーニュで初めての村名アペラシオンだったことに加えて、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティの共同経営者、オベール・ド・ヴィレーヌ氏が中心となってこのアペラシオンが創設されたことから話題を集めた。

アリゴテは交雑種特有のやや粗野な面があり、果皮はシャルドネよりかなり厚い。耕作の難しい品種で、手入れを怠るとすぐに多量の房を付け、濃縮度のかけたワインになる。これを避けるためにはコルドン・ド・ロワイヤやゴブレなど短い剪定を行い、場合によっては夏季摘房を行うなど細かな作業が必要になる。加えてアリゴテはブルゴーニュワインの中で最も安い価格帯で販売されていて採算性が良くない。このため質の恵まれない台地の部分や斜面の下部など畑の片隅に追いやれ、これが質を低下させるという悪循環に陥ってしまった。

しかし、斜面の日当たりの良い、薄い土壌に植えられ、十分な手入れを行った古木から、少量ながら驚くような質をもったアリゴテが生み出されている。また、一部だが、シャルドネの高級ボトルと同様、畑毎に醸造したキュヴェを試みる栽培家もでてきた。さらに、228リットルのブルゴーニュ樽、あるいは最近では300~600リットルの樽を使ってスペシャルキュヴェも造られている。

近年特に注目されているのがアリゴテの熟成のポテンシャルだ。今回の取材で10年~20年の熟成を経たボトルを試飲したが、シャルドネ以上に若さと活力を保っていることに驚いた。( Toshio Matsuura)

 

訪問先:Domaine Aubert et Pamela DE VILLAINE / Domaine Chanzy / Domaine Les Champs de Thémis / Domaine La Souffrandièrs / Bret Brothers / Domaine Nicolas Maillet / Caves des vignerons des Buxy / Domaine Rapet Père et Fils / Cave des Hautes Côtes / Jean-Claude Boisset / Domaine Ponsot / Aligoteurs

つづきはWANDS 2019年1月号をご覧ください。
12月号は「ブルゴーニュワイン、イタリアワイン、ウイスキー」特集です。
ウォンズのご購読・ご購入はこちらから
紙版とあわせてデジタル版もどうぞご利用ください!

関連記事

ページ上部へ戻る