SAKURA Awards 10th Anniversary 日本の食卓とワインをつなぐ「サクラアワード」でワイン消費をさらに拡大

2022年度ダイヤモンドトロフィーおよび特別賞グランプリ授賞式。受賞ワインには木曽漆器の盾が贈られる。

 

女性の視点でワインを評価する「“SAKURA”Japan Women’s Wine Awards」(通称・サクラアワード)の
2023年審査会エントリーが10月3日から始まっている。
第10回の節目を迎えるアジア最大のワイン審査会は隆盛を続ける。

取材・文 北山雅哉

田辺由美氏。日本を代表するワイン専門家のひとりとして、ワイン関係の著作の執筆、ワインスクールの運営など活動は多岐にわたる。多くのソムリエを育て、生徒数は延べ1万人を超える。

 

日本の食卓にワインを

「サクラアワード」は2014年の第1回から、ワイン国内市場の活性化に向け、「ワインの消費増」、「日本の食卓に合うワインの選択」、「女性の活躍」に取り組んできた。主宰・審査責任者の田辺由美氏(ワインアンドスピリッツ文化協会代表理事・ワインアンドワインカルチャー代表取締役)は、「ワインの消費拡大で業界活性化に役立ちたいと考える中で、家庭消費の拡大が重要になってくると思ったのが始めたきっかけです。ワインと言えば“特別な日に飲むもの”、“レストランで楽しむもの”という固定観念を覆し、家庭でもっと身近にワインを楽しむようにしたい。そのためには日々メニューを決めて食材を買い、料理を作る女性の目線でワインを選ぶことが重要だと考えました」と話す。

審査員はすべて女性で、料理とのマリアージュを審査するというユニークな視点は珍しく、第1回から注目されるとともに高く評価された。単なる料理との相性にとどまらず、代表的な和食の寿司、天ぷらのほか、すき焼き、焼き鳥、寄せ鍋や韓国料理、中華料理などバラエティに富み、“甘辛いもの”、“出汁の効いたもの”、“さっぱりしたもの”など、日々の食卓に上がる料理の味を想起させることを意識して選定。「実際に、常日頃料理をしている人からは、ワインの味が理解しやすいとの声が多く聞かれます」と、狙い通りの効果が表れているようだ。さらには、海外生産者からの「日本の食卓にはどんなワインが合うのか」という質問に具体例を示した形となり、「日本市場に提案する際にイメージが湧きやすい」と好評を博している。「最近では、過去の受賞ワインから傾向と対策を考えて、日本市場にあったワインを出品する造り手も増えてきました。“日本人が欲しい味”を理解してもらうことで、売りやすいワインが集まってくる。そういった意味でも大切な役割を担っていると感じています」。

2022年の審査会の様子(東京会場)。430名の審査員が東京・大阪の2都市に分かれて審査を行った。

第10回は「さらなる消費拡大」をテーマに

第10回サクラアワードは10月3日~11月30日までエントリーを受け付け、2023年1月に東京・大阪で審査会を開催。受賞ワインは2月に発表し、その後、授賞式および受賞アイテムを含むワイン試飲会を開催する予定。

審査するワインのカテゴリーにはオレンジワインを新設。出品数は、2022年の4,652アイテムを上回る5,000アイテム以上を目指す。
コロナ禍における難しい状況においても、感染症対策を万全にして審査会を続けてきました。授賞式も今年から独自で再開しています。国内よりも海外の脱コロナが早かったこともあり、2022年度のエントリー数の6割が海外からで、半数以上となりました。海外生産者からの期待の高さと受け止め、これからも進み続けます。

第9回目にして、初となる「受賞ワイン試飲会(業界関係者向け)」を開催。800名近い参加応募があった。

「消費拡大」にあらためて取り組む

第10回アワードのテーマは「消費拡大へのさらなる訴求」。
その成果を上げるべく、「すべての受賞ワインにメダルロゴを」「ショップにサクラアワードコーナーを」「販売協力会社との強いパートナーシップ」「サポートレストランへの誘い」「国内外の生産者団体との強い協力体制」の5つの目標を掲げる。受賞ワインのメダルロゴは、受賞者が無料でデータをダウンロードできるウェブサイトを用意しているほか、販売も別途行っており、活用しやすい体制をさらに充実させる。また、138社(2022年7月時点)が登録する販売協力会社のネットワーク充実、飲食店対象のサポートレストラン登録の強化を通じて、受賞ワインの販路拡大と販売増を図っていく。
「これまでサクラアワードを続けてきて、受賞ワインが“おいしい”と言われることが多くなってきました。ただ、売り場などでメダルロゴを見ることはまだ多くなく、消費者へのアプローチがまだ足りていないと感じています。昨年より弊社の親会社になったクレディセゾンが、毎月30万人に配布している雑誌『てんとう虫』での記事掲載などを通じて認知拡大の取り組みを始めているところです。受賞メダルのロゴをもっと活用していただき、酒販店や量販店頭、レストランなどで目にする機会を増やし、消費者に届くサクラアワードにしていくのが今後の目標です」。世界での知名度アップに向けては、2023年3月19~21日にドイツで開催される国際ワイン見本市「ProWein」に出展予定。前回(2019年)はラングドック生産者団体とコラボして「寿司とワインのマリアージュセミナー」を行い、アワードの存在感をアピールしている。こうした場で世界中の生産者団体とコンタクトを取り、日本市場の情報を発信。イタリアの「Vinitaly」やスペインの「FENAVIN」へも参加を予定する。「日本での料理とワインの相性や好まれる味などを引き続き世界に発信していきます。国内ではステイホーム施策にて家庭でのワイン消費が増えました。これからオントレードの回復を合わせれば、ワインの消費量は増えていくと考えています。“日本市場の今”を世界に発信していくことも、サクラアワードの大切な使命だと思って活動を強化していきます」。

受賞ワインには、ダイヤモンドトロフィー、ダブルゴールド、ゴールド、シルバーと特別賞グランプリのメダルロゴを表記できる。

ボトルネッカーによる受賞アピールは販売増に効果的。

世界最大のワイン展示会「Prowein」でサクラアワード受賞ワインを紹介。

注目は「日本ワイン」

日本で製造している「国内製造ワイン」のエントリー数は第1回の135アイテムから、2022年の378アイテムへと徐々に増加。それとともに受賞率も上がっているが、エントリー数の1%という最高金賞「ダイヤモンドトロフィー」はまだ受賞がない。「日本のワインだけ別に審査していると誤解されている方もいらっしゃるのですが、国内製造・輸入の区別なくブラインドで公平に審査しています。その中でも日本のワインの品質向上には目を見張るものがあり、ダイヤモンドトロフィー受賞も目前と思われます」と話し、積極的に出品してほしいと呼びかけている。

問い合わせ:サクラアワード事務局
☎ 03-6229-1727
www.sakuraaward.com

 

続きは、WANDS 10月号
【特集】ワイナリー数は400場超に 日本ワインの行方/深淵に触れる ウイスキーの新たな潮流
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