息子のカラムとともに「パウエル&サン」を興したデヴィッド・パウエル

バロッサ・ヴァレーの「トルブレック」を出てからしばらく名前を聞かなかったが、デヴィッド・パウエルは2014年に息子のカラムとともに「パウエル&サン」を興し、新たな道を揚々として歩み始めていた。

 

<夢のようなプロジェクト>

ハツラツとした若き息子とともに来日したデヴィッド・パウエルは、以前にも増して活力に満ちているように見えた。父と子でこのようなプロジェクトが始められたことを「夢のようだ」と、冒頭から歓喜にあふれた声でワイナリーの概要を説明した。

カラムは、父の背中を見て育ったからだろう、幼い頃からワインメーカーを目指していた。高校を卒業するとまずローヌへ向かい、多くのワイナリーを父子で訪問した後に、ジャン=ルイ・シャーブで修行をした。そして帰国後にアデレード大学へ通い始め、今も醸造と栽培を学んでおり来年卒業する予定だ。

息子と仕事をすることで「より純粋性を求めるようになってきている」という。今の若い世代の嗜好をより鮮明に映し出したいという方向性だ。「アロマやフレッシュさをより高く」する工夫を施している。

現在自社畑は持たず、自分たちで全てコントロールできる畑を契約している。合計20haで、いずれの畑もすべての葡萄を購入する。「トルブレック時代の最後の時期は、マーケティングや経営に明け暮れなければならなかった。しかし今、畑でも醸造所でも何から何まですべてに手をかけられるようになり、とても満足している」。(Y. Nagoshi)

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