- 2017-3-29
- Spirits
「いま弄っていて最も面白いホワイトスピリッツは何か」とバーテンダーに尋ねると、必ず“ジン” という答えが返ってくる。それもクラフト・ジンだ。ロンドンやニューヨークで新しい世代のバーテンダーが台頭してきたことに伴って、カクテルシーンでもクラフト・スピリッツがよく使われるようになった。日本でも同じ動きがおきているようだ。
その背景には、昨今のウイスキーブームを受けて、世界各国でクラフト・ディスティラリーが誕生していることが挙げられる。ウイスキーは熟成するまでに時間がかかる。それまでは換金性の高いジンやウオッカを製造して販売する。すると、世に出回るクラフト・スピリッツが一気に増えるというわけだ。日本でも国産のクラフト・ジンが話題になっている。
カクテル人気№1のジントニック
そもそも日本人はジン好きで知られる。日本バーテンダー協会(NBA)が2003 年から実施しているカクテル・ランキングによれば、「ジントニック」は不動の1位に君臨している。確かに、食事の前には胃を刺激して食欲を増進し、食後には消化を高め、口をさっぱりさせるのにジントニックはもってこいなので飲む機会も多い。
それゆえ、個々人の愛着やこだわりも強く、ジントニックを注文する際には、ブランド名を指名する。これは今も昔も変わらない。
ロンドンドライジン『ゴードン』は世界で初めて“ジントニック” を生んだブランドといわれている。そのゴードンを中味もパッケージも刷新して4 月4日から発売するという。これは日本だけでなくグローバル市場で変更するようだ。アルコール分もこれまでの40%を37.5%、47.3%を43%へと逓減する。
ゴードンのブランドマネージャー須賀千晃さんは、
「ゴードンは1769 年に創業してから約250年の歴史があるが、その味わいはほとんど変わることがなかった。それは伝統とか信頼できるブランドであるといった評価が確立している、いわば世界的な名声を得ているブランドとしては当たり前のこと。それが今回のリニューアルを機に、もっと現代化されたブランドになった」と解説する。
パッケージも明るくなった。
「これまではカッコいいバーでロングカクテルにして飲まれてきたジントニックのシーンだが、これからはこれに加えて、もっと明るいところで気軽にワイワイと飲むような飲用シーンを創造して付け加えたい」という。
ミレニアルズ世代といわれる須賀さんにとって、ゴードンをキラキラ光るブランドに若返らすことがこれからの仕事になる。もちろんシグネチャーカクテルの「G&T(ゴードン&トニック)」を引き続きしっかりと訴えていく。(A.Horiguchi)
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