地中海ワイン展示会VINISUDで、3人の女性MWが語った「地中海スタイルワイン」

Vinisud で行われた3人のMW によるセミナーのひとつをレポートする。

3 人のMW は次のとおり。サラ・アボットSarah Abbott MW、クリスティー・カンタベリーChristy Canterbury MW、エリザベス・ガベイElizabeth Gabay MW。米国在住のクリスティー・カンタベリーは、米国大統領へのデモの影響で予定フライトに搭乗できずスカイプ参加した。

 

<地中海ワインとは>

今のところ明確な定義自体は存在せず、どのショップやレストランでも地中海ワインという括りを見ることはない。「きちんとした定義は現在存在しないが、あってしかるべきだと」とサラ・アボットMW は述べた。

 

しかしEastern Med(東地中海)という名称は実際に使用されている。トルコ、レバノン、キプロス、イスラエル、ギリシャ、ジョージア等を指す。実際、イギリスの老舗デパートのマークス&スペンサーのワイン売り場にはこのカテゴリーがある。ウェブサイトでも東地中海ワインの購入が可能だ。

 

地中海に面するフランス、スペイン、イタリアなどの国ではワイン消費は減少しているが、東地中海ワインの消費は中国、アメリカ、イギリスなどで増えており、プロモーションもますます重要になるだろう。

 

<ニューヨーク市場>

クリスティー・カンタベリーChristy Canterbury MW

「ニューヨークでは、実はカリフォルニアよりヨーロッパ産ワインの消費量が優っている」とクリスティー・カンタベリーMW。

2016 年12 月に発表されたニューヨーク・タイムズの「Top New York Restaurants of 2016」に掲載されたレストランのトップLe Coucou(ル・クークー)では、 ギリシャワインが7 種類もオンリストされている。その他のハイエンド・レストランでも、ブルゴーニュ白と同様に高価格ギリシャワインが扱われているという。

 

<ニューヨークとロンドンの共通点>

ニューヨークとロンドン市場の共通点はソムリエのパワーである。ユニークなワインを欲する消費者の多いニューヨークとロンドンでは、ソムリエはヒッピーのようで、良い意味でワインスペクテイターに反抗する傾向にある。そして、彼らは在来品種が武器になると考えている。

 

ガベイMW は、「ソムリエが輸入元に特定の銘柄を指定して、実際にギリシャから輸入された例もある。私たちMW が頼んでも断られるのに」と冗談混じりに説明した。

ガベイMW は、地中海ワインを輸入したければ、このソムリエパワーを利用するのが早いという。ソムリエが取り扱いたいと思うことが、輸入につながるのである。

そして、ソムリエが現地を訪れ、その土地や生産者を理解し、素晴らしさやロマンチックな土地であることを口コミで伝えてくれることで、消費者に影響を与えファンが増えるだろうと考えている。((M.Whelehan)

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画像:サラ・アボットSarah Abbott MWとエリザベス・ガベイElizabeth Gabay MW

セミナー後に試飲したワイン

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