- 2017-11-27
- Wines, スペイン Spain
Angel Rodriguez Vidal-Martinsancho
ラ・セカ(バジャドリッド県)にあるボデガ。
アンヘル・ロドリゲスは御年88 歳。まだ畑に出ている。娘のコンチがエノロガで第4 世代。薬剤師なので薬局を経営しながらワインも造っている。
1807 年に建造したという地下セラーを巡る。セラーの室温は一年中、10~11℃で安定している。かつては、ここでベルデホのスティルワインを造っていたようだ。すっかり古くなったのでいまは別棟で醸造・熟成し、リスカルでボトリングしている。
マルティンサンチョ2016
枯草のアロマ、澱由来のニュアンス、柑橘の爽やかさ、とてもクリアーなワイン。厚みがあって、フィニッシュにきれいな酸味を感じる。苦味のないきれいな後味。心地よい余韻が長く続く。アルコール13%。1981年に初めてボトリング。樹脂タンクで発酵、シュールリー。
うちのブドウ畑は70ha。エンバソと垣根があって、いずれも収量は少ない。ある時、わたしのところにエミール・ペイノーがやってきて、うちのベルデホをチェックした。「これは良いワインになるよ」とペイノーがいった。それからペイノーと連絡を取り合ってワインを造ることになった。そのうちリスカルも一緒に来るようになった。
ペイノーは私にソーヴィニヨン・ブランを植えるよう勧めてきた。勧めに従って私がルエダで初めてソーヴィニヨン・ブランを植えた。これは垣根で栽培した。
ベルデホは果粒の小さいブドウだ。房も小さい。そして熟すのが遅い。大量生産の時代には効率的なブドウではなかった。だからパロミノをたくさん植えた人もいた。ところがベルデホをワインにすると十分なアルコール分になった。ラ・セカの土壌はやせていて小石が多い。これまた大量生産には向かなかった。
私はベルデホ栽培に適した畑を探し出した。そこに古いブドウ樹を植えた。新しく開墾したところよりも、ずっと昔からブドウを栽培し続けていた畑から良いブドウができる。そういう土地は痩せていて水捌けが良いからだ。最近はルエダが有名になったので新しい畑を拓く人が増えた。かつてジャガイモや赤カブを植えていたところにまでブドウ樹を植えている。これではいけない。DO ルエダも畑の格付けをして、畑の優劣を消費者にきちんと見せなければ。
1980 年当時から私は、土壌のタイプによって台木を使い分けていた。その時の図面が残っている。一本一本どういう台木を使ったか書き込んである。リヒター110、リヒター99、R × B161-49、3309R などと書き込んである。ブドウ畑の標高は680m、ドゥエロ川を見晴るかすことができる。樹齢45 年以上のベルデホが植えてある。(K.Bansho)
他の生産者の紹介はWANDS 2017年11月号をご覧ください。ウォンズのご購入・ご購読はこちらから デジタル版もできました!
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