「ドルーアン・オレゴン」30周年とAVA エオラ・アミティ・ヒルズの新作「ローズロック」

<1987年の開拓から30年>

ブルゴーニュの名門「ジョセフ・ドルーアン」を24歳で1957年に継承したロベルト・ドルーアンは、多くの事柄でパイオニアの役割を果たしてきた人物として知られている。オレゴンのダンディー・ヒルズに土地を購入した1987年には、まだオレゴン全体で65のワイナリーしかなかったという。

今では700以上のワイナリーがひしめきあう注目のワイン産地に成長した。葡萄栽培面積は11,300haを上回った(1987年:1,800ha)。品種構成もピノ・ノワール62%、ピノ・グリ13%、シャルドネ5.6%(1987年:ピノ・ノワール28.6%、シャルドネ22.6%、リースリング19.2%)となり、品質の高いピノ・ノワールの産地としてのイメージも定着した。

マネージング・ダイレクターを務めるデヴィッド・ミルマン

ブルゴーニュ品種の産地としての潜在能力を見出し、また、現地でワイン造りをする人々の結びつきができていることも、この地へ投資する決定要因のひとつとなったようだ。

1988年に、まだ醸造所が完成していない時、ロベルトはドルーアンのシャンボール・ミュジニーをスタッフに振る舞いながら「このようなエレガントでフィネスのあるワインを造る」と言う決意を伝えたという。

ポートランドから南に約50kmのダンディー・ヒルズは、2004年から新たにAVAに認定された地区のひとつで、オレゴンのパイオニア的ワイナリーが多く見られる。ドメーヌ・ドルーアン・オレゴンでもブルゴーニュと同様に、栽培は長男のフィリップ、醸造はヴェロニクと、4代目が活躍している。とはいえ「83歳になったロベルトも、リタイアした身とはいっても毎年オレゴンを訪問し、収穫にも参加している」と、マネージング・ダイレクターを務めるデヴィッド・ミルマンは言う。

 

<ローズロック>

そして、2013年に約50ha(45haピノ・ノワール、残りがシャルドネ)の畑を購入し、新作「ローズロック」ができあがった。

エオラ・アミティ・ヒルズには、ドミニク・ラフォンがコンサルタントしていたイヴニングランドや、クリストム、ジェイ・クリストファーなど、既にブルゴーニュ品種で名を馳せる造り手がいる。ドルーアンは2007年にイヴニングランドから葡萄を購入したことがあり、この地に魅力を感じていたようだ。

エオラ・アミティ・ヒルズは、ダンディー・ヒルズからさらに40km南にある。どちらも古い火山性土壌で、標高550〜750mほどある。しかし、南に位置するエオラ・アミティ・ヒルズの方が4℃ほど涼しく、収穫も5〜7日遅く行われる。ちょうどエオラ・アミティの丘の西に太平洋へつながる谷間が通り、海からの涼風が特に夜間に吹き込んでくるからだ。

デヴィッド・ミルマン曰く「ダンディー・ヒルズのピノ・ノワールがエレガントなシャンボール・ミュジニーならば、エオラ・アミティ・ヒルズはストラクチャーのあるジュヴレ・シャンベルタンだ」という。

今回試飲した2014年が初ヴィンテージだ。

 

Oregon Chardonnay 2014 AVA Dundee Hills 1990年にディジョン・クローンを植樹。当初は100%樽醗酵だったが、よりフレッシュさを出すために50%ステンレス醗酵へ。マロラクティックを行うのは樽だけ。柑橘類や花の香りに加え、甘いバニラも。上品な仕上がりで酸もフレッシュ感に溢れ、若々しい。

Oregon Roserock Chardonnay 2014 AVA Eola-Amity Hills 2004年植樹のシャルドネ。こちらもステンレスタンクと樽を50%ずつ使用。「マロラクティックは、止めようと思ったら既に100%終了していた」。香りはまだ閉じているが、フレッシュな柑橘類やリンゴなど、よりフルーツが生き生きとしている。まろやかな味わいで、後味のフレッシュな酸が心地よい。絶妙なバランス感覚。

Oregon Pinot Noir 2014 AVA Willamette Valley 100%除梗だが、2016年は気候もよく樹齢も上がってきたので少々全房も使用。樽熟成10〜11ヶ月。新樽はここ20年20%に。ふっくらとした香りで、熟したラズベリーなど豊かな香り。なめらかなアタックで、ボリューム感もあり、タンニンも丸い。

Oregon Roserock Pinot Noir 2014 AVA Eola-Amity Hills 区画ごとに醗酵。香りは若干閉じ気味で涼しげな要素も感じられ、とてもフレッシュ。味わいも、よりタイトで酸もタンニンも若々しくかっちりとしている。

Oregon Pinot Noir Lauren 2012 AVA Dundee Hills 1987年植樹の区画を1992年から単独キュヴェに。13〜14か月樽熟成。香りは閉じているが厚みがあり、熟した果実やほんのりとしたスパイスが感じられる。なめらかなアタックで厚みがあり、ボリューム感がある。酸もソフトでタンニンもまろやか。

Oregon Roserock Zéophirine Pinot Noir 2014(トップ画像の右から3のボトル)

AVA Eola-Amity Hills バレル・セレクション。閉じているが、よりタイトで涼しげな上品で芯のある香り。スパイスとローストがほんのりと。酸が綺麗でしっとりとした味わい。タンニンのストラクチャーがはっきり。

(Y. Nagoshi)

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