ワイン増税反対、EPA交渉など諸課題に向けて取組を強化/日本洋酒輸入協会の活動方針

日本洋酒輸入協会は5月6日、第110回定期総会を開き、平成28年度事業報告と収支決算、同29年度事業計画と収支予算を原案通り可決した。また、任期満了に伴う役員改正では、理事長に明治屋社長・米井元一氏、副理事長にキリンビール執行役員企画部長・内山建二、MHD モエヘネシーディアジオ専務取締役・水口博の両氏を再任した。現在会員数は31社。

米井理事長は、昨年から今年にかけての輸入酒業界をとりまく経済環境と、今後の課題などについて要旨次のように語った。

「最近の経済情勢は穏やかな拡大基調にあると言われているが、消費支出は伸び悩み、節約志向や低価格志向も顕著になっている。物価動向についても、日銀における異次元緩和が継続的に進められているが、目標とされる2%物価上昇までの道のりはまだまだ遠い。一方、為替相場については、昨年12月の米国金利の再引き上げ、トランプ旋風などにより昨年末には急速に円安が進行したが、最近は円高基調で推移している。しかし、今後の米国の金利引き上げのペース如何によっては円安傾向に拍車がかかるのではないかと懸念される」

「このような中、昨年1年間の輸入洋酒市場を振り返ると、近年堅調な伸びを示していた2リットル以下のスティルワイン輸入実績が数量で7.1%減、金額で13.0%減と大幅に減った。国産ワインを含めた果実酒課税量は前年比99.3%であり、ワインマーケット全体の需要の伸び悩みの傾向が今後も続くか否か懸念される」

「さらに、昨年は当協会の今後の運営に大きな影響を及ぼす出来事が幾つかあった。そのひとつは、2段階でワインの増税を行うことが税制大綱に明記されたこと。これまで、日本ワイナリー協会と連携しつつワインの酒税増税反対を関係方面に働きかけてきたが、残念ながら要望の実現には至らなかった。もう一つはTPPの挫折である。今後は日本・EU間EPA 交渉の進展について、最大限の感心を払っていきたい」。

これを踏まえて、米井理事長は平成29年度に取り組むべき協会の課題として以下の5つを挙げた。

  • ワインの酒税増税反対活動の展開。(2段階増税の1段階目にあたる)平成32年10月までの間にワインの酒税増税反対の機運を盛り上げ、関係方面に浸透させていくための広報活動を展開する。また、関税関係では、ワインに課されている関税の即時完全撤廃を要望する。ワインの輸入数量で約6 割を占めているEU とのEPA 交渉の早期実現を期待しつつ情報収集に努める。
  • 食品表示法関係。一昨年に施行された食品表示法表示基準の実施までの準備期間が3年弱となっていることから、会員各社が適確に対応できるよう情報提供に努める。
  • 輸入洋酒の流通秩序の維持と消費者保護の問題。依然として、ロット番号が削除された輸入酒類が流通している実態を踏まえ、今後も関係方面に対策と協力を積極的に働きかける。
  • 社会的要請への対応。従来にも増して、不適切な飲酒の誘引を防止するように努める。
  • 協会活動の活性化。上述のように洋酒輸入業界を巡る環境が大きく変化する中、講習会の開催や情報提供など、協会員にとっての利便性の向上に努める。(M. Yoshino)
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