冷たい海、寒村レイダを開拓した  ビニャ・レイダ

レイダの開拓は20年前に始まった。広大な牧草地をブドウ畑に変えた。当初は90haのブドウ畑だったが現在は10軒の生産者が2,000haを所有するまでに拡大している。レイダはマイポ川河口の北岸の海岸山地のなかにある。最も海に近い区画は海からわずか4kmにあるため太平洋の寒風に晒されている。ブドウ栽培地としては抜群の条件を備えていながら、この地にながらく耕作地が無かったのは、水利が無くて痩せていたからだ。もちろん電気も通っていなかった。マイポ川から水のパイプラインを引き、電線を引きこむ大工事が必要だった。

 

水利が整って土の潤ったビニャ・レイダから、素晴らしいソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールが生まれた。それで多くのワイン生産者がレイダに投資した。いまではマイポ川河口にある海辺のリゾート、サント・ドミンゴにもブドウ樹が植えられ、その一部はチリを代表するピノ・ノワールのトップ・キュヴェにも採用され始めている。

ビニャ・レイダはここでソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワール、シラーを栽培している。栽培担当トマス・リベラの説明によると、ここの土壌はとても古いもので表土はおよそ20cmの厚さのシルト、その下層は花崗岩やクオーツを含む崩積土壌だという。90haを土壌の種類と栽培品種によって34ブロックに分けて管理し、収穫も醸造も別々にしている。だからエッグファーメンターを含む発酵器は30台に及び、いずれも小振りのものばかりだ。

 

灌漑は収穫2週間前に完全に停止する。それまでは常に土壌中の水分をチェックしながら保水量が40%を切ったら与えている。大まかにいうと灌水は、ほぼ2週間に1度の割合になるという。畑全体の85%は自根のままで、残りは101-14、SO4の台木に接いでいる。

剪定は二本のケインに合計5~7芽を残し、フルーツセットは地表から45~50cmの高さになるように設定する。植樹密度は6,173本/ha。

ビビアナ・ナバレテは2007年にビニャ・レイダの醸造責任者に就いた。寒い土地柄なのでブドウをなるべく長く熟させることにしていた。樽発酵を採用するなど小樽もたくさん使っていた。

ところがクラフトワインを造ろうと決めた2015年からは、収穫時期を早めてアルコール分を13~13.5%にした。この土地独特のミネラリティやサリニティ(塩味)を大事にしている。小樽の発酵熟成を止めて卵型を含むコンクリート容器やカスクを使うようになったという。ブドウ畑の中でビビアナと試飲した。

 

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