トレンティーノ訪問記 山から生まれる瓶内二次醗酵 トレントDOC & ドロミテからガルダまでのスティルワイン

トレンティーノ・アルト=アディジェ州の州都トレントは、イタリアで最も質の高い生活ができる街のランキングで10年のうちに4回も第1位に輝いているという。その詳細は知らないが、ユネスコの世界遺産に2009年に登録されたドロミテ山塊が頻繁に見える風景、朝晩の寒暖差、澄んだ空気、そしてイタリアらしからぬオンタイムな人々の行動に触れると、何となく合点がいく。スキー客を含めた観光客も多く、イタリア一番というリンゴ栽培含め果樹園も多く食物も豊かだ。トレントの街中でカフェに入ると「メニューはドイツ語か?それとも英語か?」と聞かれた。ここはオーストリアだった時代があるから、文化や人の気質にも影響を及ぼしているのだろう。

スパークリングワインのトレントDOCの造り手を中心に、トレンティーノのワイナリーを数軒訪問した。

 

<トレンティーノの気候>

ワイナリーを訪問すると、皆が共通してこの地域の気候の特徴を誇らしげに解説してくれた。標高が高いほど顕著なのだが、例えば夏の最高気温が35〜36度でも夜間は16〜18℃と20℃を下回る。3,000m級の山に囲まれているため日較差がたいへん大きく、ブドウの香りは高くなり酸は保たれ、これが大きなアドバンテージとなる。また、土壌、標高、向き、微気候などが多様なため、栽培しているブドウ品種が多い。トレントDOC用には、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ブラン、ムニエだけが認可されているが、スティルワイン用はテロルデーゴ、マルツェミーノ、ミュラー・トゥルガウ、ノイジオーラはじめ赤白ともに多岐にわたる(土壌や仕立てについては訪問記にて)。

 

<トレントDOCの特徴> 

1993年にDOCに認可されたトレンティーノのスパークリングワインは、瓶内二次醗酵を義務付けられており、これはイタリアで初、世界ではシャンパーニュに次いで2番目だ。2007年からは”Trentodoc”(トレントドック) と一文字で表記してもよいことになったというから、都市名と混同することもなさそうだ。

今回の取材で、トレントDOCが他国他地域から生まれるスパークリングワインと大きく異なる点はどこにあるのか明確に理解したいと考えていた。こちらから質問しなくても積極的に説明をしてくれるところもあり、造り手側としても「トレントDOCならでは」をアピールしたいのだと感じた。

「アディジェ渓谷の標高が最も低い場所で220mある。フランチャコルタの場合には最も高い位置で192m。ここでは標高が高いためブドウが成熟した時にも気温が低く、酸度が保てるというアドバンテージがある」。

「フランチャコルタは……

(Y. Nagoshi)

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トップ画像:ペルゴーラ仕立てのブドウ畑の向こうにはドロミテ山塊が見える。

この谷の向こうはアルト・アディジェ

 

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