上半期は値上げ、豪雨、酷暑で需要減退 2018 年ワイン需要は前年比3 ~4%減か

7 月の輸入通関数量をみて驚いた。

前年同月比20.5%もの大幅な減少であった。1月~7月累計でも前年同期比6.2%減少している。

 

2018年上半期ワイン市場は、前年からの繰越在庫が相当厚い状態でスタートしている。世界のブドウ産地の2016年、2017年の収穫量が少なかったので、昨年末、生産者から日本のインポーターへ2018年出荷価格の引き上げが通知された。インポーターは蔵出価格が上がる前の旧値でワインを大量に輸入したからインポーター在庫が大きく膨らんだ。

 

今年は年初から輸入を控え目にして在庫を捌くことに集中した。生産者の蔵出価格の上昇、国内物流コストの上昇などを受けて、4月には多くのインポーターが希望小売価格の引き上げを予定していた。だから2018 年上半期輸入量が前年割れすることは、輸入各社にとってほぼ想定内のできごとだったと思う。

 

しかし、7 月単月の輸入量20.5%減はインポーター各社の想定を大きく超えるものであった。大幅減少の理由は、歴史的な自然災害ともいうべき今夏の豪雨と日照り続きによるものである。まず7 月上旬、西日本を中心にした記録的な豪雨で物流網が寸断され、小売店への商品供給が滞った。その後、連日35℃を超える未だかつてない酷暑の夏が来た。それが8 月末まで続いた。これで夏のワインの販売計画がすっかりくるってしまった。人は暑いとたぶんビールを飲む。氷で割ったワインやスパークリングワインにも少しはおこぼれが回ってくる。しかし暑さが過ぎるとすべてのアルコール飲料は回避されて誰もが命を守る止渇飲料へと向う。今年の夏はそんな日が延々と続いた。

 

関税局の発表した1月~7月累計ワイン輸入量を7頁にまとめた。スティルワインは前年同期比6.2%減である。

 

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