2015年のワイン市場を振り返る

「昨年暮れあたりから業務用の売行きがどうもよくない」。

年が明けて3 月下旬に至るまで、ワインの業務用需要には未だ明るい話がない。

 

アベノミクスが動き始めて3 年。この間に輸出産業をはじめとする大企業が過去最高益を記録して、そういう企業で働く人の賃金は大きく上昇していると聞く。今春も額こそ前年より小幅になったものの賃金のベースアップがあると発表されている。しかし多くの国民にとって所得増は文字通り“ 他人事” である。先行き不透明でもやもやした状態が続くから消費にお金が回らない。家計消費支出は2014 年4 月の消費税増税以降、22 か月連続のマイナスである。それもあって来年4 月に予定されている消費税増税はどうやら見送られそうな雲行きになってきた。

 

そういう中で外国人観光客の大幅な増加は明るい話題である。2015 年の外国人観光客は1,973 万人を記録し、2020 年までに2,000 万人という目標をほぼ達成してしまった。おかげでホテルの客室稼働率は改善され、都市ホテルの中の料飲店での喫食率も上がっている。これと連動して一部の高額ワインの売れ行きが良くなっている。ただ、中国をはじめとするアジア各国からの観光客の“ 爆買い” の対象は家電製品などが中心で、滞在中の飲食にはそれほど金を使っていないのが実情らしい。

 

この特集では各種の調査とデータを基に2015 年のワイン市場規模をまとめ、2016 年のワイン市場がどのように推移するのかを見通すことにした。

(中略)

国税庁のまとめた果実酒課税量をもとに市場規模を計算すると、

<国産果実酒>

1,306万ケース(8.64ℓ換算)前年比100.5%

<輸入果実酒>

2,959万ケース(9ℓ換算)前年比102.8%

<国産・輸入果実酒合計>

4,265万ケース 前年比102.1%

<2015年一人当たり年間消費量>

2.98ℓ(2014年2.92ℓ)

課税量4,265 万ケースを2015 年の総人口で割って一人あたり消費量を求めると2.98ℓになる。これはレギュラーボトル換算だと4 本分に相当する。(K. B.)

 

中略部分や各種データ、価格帯別、販売店業態別の分析につきましては、「ウォンズ」本誌「4月号」P.6〜10をご覧下さい。WANDS本誌の購入&購読はこちらから

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