7月、飯田がスペインワイン試飲会を開催

写真/アルタビン・ビティクルトゥール オーナー醸造家のジョアン・アルッフィ氏(左)とスマロッカのエクスポート・エリア・マネージャー ミレイア・ルイス・ソリバス氏。

 

7月5日、飯田が都内でスペインワインの試飲会を開催した。この日は現地から生産者も数名来日し、自社のテロワールを熱く語った。

アルタビンの「セレクシオ ガルナッチャ ブランカ 2014」(左)と「セレクシオ ガルナッチャ ペルーダ 2014」。

 

●ガルナッチャ・ブランカの聖地テラ・アルタ
カタルーニャ州のテラ・アルタを拠点とするアルタビン・ビティクルトゥール。オーナー醸造家のジョアン・アルッフィ氏は、テラ・アルタ生産者組合の会長も務める人物だ。白はおもにガルナッチャ・ブランカをつくるが、この品種において、テラ・アルタはスペイン最大規模の伝統的な生産地。標高350〜550m、気候は地中海性に大陸性の特徴(mediterraneo-interior)を併せ持ち、よく乾燥し、日較差が大きいためブドウがよく熟す。ガルナッチャ・ブランカは樹齢30年超の古木も多く残るが、テラ・アルタの土壌は、この品種にとって最良なのだとアルッフィ氏は言った。
「ここの土壌はPanal(パナル)と呼ばれる白い土壌。白亜質を含み、泥や砂の混ざる土壌で保水力に優れている。とてもふかふかで柔らかいため、ブドウの根が、下へ下へと伸びていく」。
「セレクシオ ガルナッチャ ブランカ 2014」は樹齢69年の古木で、テラ・アルタの中心地バテア地区に畑がある。樽熟成・樽発酵の熟成型で、清々しい金木犀の香りによく熟した果実味、ミネラル感があり、魚介類のシチューなどに。
「ビネレレス ブリサット 2018」はガルナッチャ・ブランカのオレンジ。蜂蜜やハーブなどの複雑な香り、余韻にナッツの芳しさが漂い、すっきりとした酸味。Brisat(ブリサット)はカタルーニャ語で「オレンジワイン」を指す。

 

●スマロッカのトップレンジ「ヌリア」
カタルーニャ地方ペネデスに260haの自社畑を所有するスマロッカは、1983年からカバを造っている。「高比率のフリーランジュース」「規定より長い瓶内熟成」「少ないドサージュ量」の3点から品質にこだわり、レセルバであれば規定より長い20か月以上熟成させる。2018年からすべての畑でビオロジック認証を取得。
試飲会では、創業者の妻の名を冠したトップレンジ「ヌリア」も紹介された。それぞれ2〜4haの小さな単一畑のみから生産されるヴィンテージカバで、最低36か月熟成。ドサージュ量は5g/Lに抑える。
このキュヴェの中で最初に造られた「カバ ヌリア オメナッジェ グラン レセルバ 2014」は、標高180m、ペネデス北部の3.25haの自社畑のもの。樹齢60年以上のチャレッロ100%。フリーランジュースのみを発酵、最低40か月の瓶熟成。オレンジの果実味が豊かで、力強さと奥行きも感じる上質な1本。

 

左から、アルベアルの「アモンティリャード カルロスVII NV」「オロロソ アスンシオン NV」「ソレラ クリーム NV」。

●アンダルシアの老舗アルベアル
アンダルシア地方モンティーリャ・モリレスを拠点とし、ペドロ・ヒメネスの名手と知られる、アルベアルのワインも出品。シエラ・デ・モンティーリャに200haの自社畑をもつ。環境はアンダルシアのフライパンとも称されるような暑い場所で、夏は50°を超える乾燥した大陸性気候。畑の土壌はこの地方特有の、チョーク質の真っ白なアルバリサ。有機物が少なく、ミネラル質を多く含んでいる。
「アモンティリャード カルロスVII NV」はソレラシステムで20年以上熟成。ナッツや干しイチジクの味、重すぎず心地よい飲み口。ボディのある「オロロソ アスンシオン NV」は、しっかり脂がのった生ハムなどに合わせたい。
「ペドロ ヒメネス デ アニャーダ 2018」は、糖度の高いペドロ・ヒメネスを選果した濃厚な甘口。天日干しし、発酵途中でアルコールを添加、800ℓのティナハで12か月熟成。樽を使わないため、干しブドウ、蜂蜜、金柑などブドウ由来の自然な甘味が楽しめる。2011年ヴィンテージはパーカー・ポイント100ptを獲得。

 

(N. Miyata)

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