タービルクが守り抜く 世界最古のマルサンヌ

川、湖、森に囲まれたワイナリー。

ヴィクトリア州に水の楽園がある。ゴールバーン・ヴァレーの小地区ナガンビー・レイクだ。先住民族はここを「タビルク・タビルク」と呼び、神聖な場所と崇めた。1927年に植樹されたマルサンヌが、力強く根を張っている。

「タービルク・マルサンヌ 2023」(2,530円)。

水に囲まれた秘境

ナガンビー・レイクの魅力の源は、独特の環境にある。ゴールバーン川沿いに湖や小川があちこちにあり、水鳥が舞い、多くの動物が引き寄せられる。ヴィクトリア州中央の内部で、冬は霜が降りるほど寒く、夏は40°Cを超えることもある。しかし、周囲の水辺が温度を緩和し、ブドウ栽培に理想的な微気候を生み出している。
タービルクは 1860年に創業。当時植えたシラーは今も、多くのブドウを実らせる。そしてマルサンヌは世界随一の生産規模を誇る。ヤラ・ヴァレーから運ばれ、1860年に植えられた挿し木は生き残らなかったが、現存する最古の木は 1927年に植樹された。マルサンヌとしては世界最古で、タービルクの誇りとなっている。
ジョー・ナッシュ氏は気鋭の醸造家だ。学生時代からマクファーソン・ワインズで研鑽を積み、大学卒業後の 2011年、そこでチーフワインメーカーに抜握された。2021年、タービルクのゼネラルマネージャー兼チーフワインメーカーに就任。ナガンビー・レイクは「一言でいえば美しい。古木が息づき、魔法のような魅力がある」と語る。
タービルクの畑は粘土と砂質ロームの混合土壌だ。土中は鉄分が豊富で、ブドウの樹の成長を助ける。

「マルサンヌの畑は25.3ha あって、今年新たに4ha 植樹した。5つの区画で栽培するが、畝の向きや、砂と粘土の割合は区画ごとに異なり、それぞれの個性がワインに反映される。だから収穫も醸造も区画別に行う。とくに古木の区画は手作業で、入念な注意を払い、理想のブドウを育てる」と、ナッシュ氏(つづく)。

※後半は本誌「WANDS 11-12月号」をご覧ください

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https://www.village-cellars.co.jp

 

続きは、WANDS 11-12月号
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