ミトロ・ワインズが描く イタリア品種の新たな地平

グレラとペコリーノが育つ「Home Block Vineyard」。

南オーストラリア州、マクラーレン・ヴェール。1950年代、イタリアから多くの移民がこの地を目指した。アブルッツォにルーツを持つミトロ家もその一員だ。シラーズで成功し、地域を代表する生産者へと成長した。そんな移民の子孫が、今、イタリア系品種に熱い。

 

イタリアの魂を宿す畑

マクラーレン・ヴェールは東はアデレード・ヒルズの丘陵地、西はセントヴィンセント湾に挟まれ、その間を風が吹き抜ける。恵まれた地中海性気候だ。1999年、イタリア系移民3世のフランク・ミトロ氏がこの地でワイナリーを創業した。先祖は地中海沿岸のアブルッツォでブドウ栽培を家業にしていた。

ミトロ・ワインズは2000 年に初めてのシラーズを生産し、2年後にはカベルネ・ソーヴィニヨンも手がけた。アマローネのアパッシメント製法を、カベルネに適用したが、それは当時のオーストラリアでは前例のない試みだった。才気あふれる醸造家ベン・グレッツァーの手腕で、マクラーレン・ヴェールの最高の畑から、この2つの品種を看板ワインとして育て上げてきた。

しかしミトロ氏は、自らのルーツも忘れない。近年、その畑に、フィアーノ、ヴェルメンティーノ、ペコリーノ、グレラ、ネロ・ダーヴォラ、サンジョヴェーゼ、モンテプルチャーノなど、多彩なイタリア系品種が加わった。

「マクラーレン・ヴェールの地中海性気候で輝くイタリア系品種を通して、“私たちが誰であるか”という根元を表現しながら、旧世界の洗練された味と新世界の澄んだ味を兼ね備えたワインを造る」。(つづく)

※後半は本誌「WANDS 11-12月号」をご覧ください

 

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続きは、WANDS 11-12月号
【特集】オーストラリアワインの今
【特集】日本のウイスキーの今とこれから
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【BUYER’S GUIDE】 伝統的製法のスパークリングワイン
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